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10月の住宅ローン金利と11月の見通し

日銀が開いた、9月18~19日の金融政策決定会合では、長期金利(10年物国債の利回り)の上昇を一定程度容認する、前回会合の方針が維持されました。

しかし、長期金利が急上昇した場合には、国債買い入れオペ(日銀が金融機関から国債を買い入れて、国債の値段を抑え込む)を行うとも明記されており、金融機関としても動きづらい状況です。

日本の金融政策が停滞気味にある中、住宅ローン金利は何を手掛かりに動くのか。

まずは、10月の住宅ローン金利を見ていくことにしましょう。

10月

10月の住宅ローン金利、振り返り

変動金利

変動金利は、短期プライムレート(優良企業向けの1年以内の貸出金利)に連動する仕組みになっていますが、その短期プライムレートは2009年1月13日以降、年1.475%で据え置かれています。

また、今回の金融政策決定会合でも、短期金利はマイナスを維持すると明記されており、実際に無担保コール翌日物(金融機関同士が足りない資金を融通する取引)はマイナスが続いています。

短期金利は、現在の市場メカニズムでは、長期金利が将来の景気回復を見越して上昇した後に、上昇する性質を持っていることや、インフレ(物価上昇率)にも影響されることを考えると、当面は現状水準が続きそうです。

固定金利

全期間固定金利は、前回の金融政策決定会合で、長期金利の上昇幅が0.2%前後まで容認されたため、長期金利は0.1%前後まで上昇しました。

これを受けて、8~9月の全期間固定金利は上昇しましたが、長期金利の上昇分を全期間固定金利に織り込んだとして、10月の全期間固定金利は全体的にほぼ横ばいとなっています。

参考までに、10月の全期間固定金利は、三井住友銀行が前月比0.050%上昇の1.790%(優良顧客には引き下げあり)。

日本モーゲージサービスが扱う、返済期間21年以上で団信ありのフラット35は、前月比0.020%上昇の1.410%となっています。

 

11月の住宅ローン金利はどうなる

日銀が長期金利の上昇を、一定程度容認する政策変更をしてから、まだ間もないことを考えると、長期金利は日本の要因だけでは0.1%前後で推移することが想定されます。

一方で日本の長期金利は、世界各国の景気や金融政策による、世界の長期金利の動向にも左右されます。そして、その代表格が米長期金利です。

米では景気拡大が続いており、日本の金融政策決定会合に該当する、米のFOMC(連邦公開市場委員会)では、ほぼ3か月ごとに0.25%の利上げを行っています。

米のFOMCが利上げを行うということは、米長期金利も当然ながら上昇しやすくなりますので、米長期金利が安定的に3%を上回る水準を維持するようであれば、日本の長期金利もつれ高しやすくなります。

しかし、この流れに逆行しそうなのが、米中で激化している貿易摩擦です。

米では11月に中間選挙(上下両院議員と州知事などの選挙)が行われますが、これは共和党のトランプ大統領の政策を信任する選挙でもあります。

トランプ大統領としては、中間選挙に有利に働くように、米の貿易赤字国である中国や日本から譲歩を引き出したい訳ですが、巨大国家となった中国が一歩も引かず、米中貿易摩擦は解決の出口が見えない状況です。

 

関税を引き上げるということは、物価が上昇することを意味しており、米の消費者にとってはマイナスの影響しかありません。

現在は、景気拡大によるインフレで物価が上昇しており、これに関税引き上げ分の物価上昇が上乗せされると、景気拡大に悪影響を及ぼすのではないかと危惧されています。

このような流れが強まれば、米の景気拡大期待がしぼみ、米長期金利が低下、日本の長期金利もつれ安しやすくなります。

 

実際に、どちらの流れが強まるかはわかりませんが、米長期金利はこれらの要因を睨みながら、神経質な値動きとなる見込みです。

ただし、プラス要因とマイナス要因がある時は小幅な値動きになることが多く、米長期金利の影響は限定的になりそうです。

これらの流れを総合的に勘案しますと、11月の変動金利も固定金利も、ほぼ横ばいで推移する可能性が高いと考えています。

 

 

 

 

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