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住宅ローン

2018.03.12

住宅ローン利用者の裾野を広げた「全国保証」とは?

皆様は、住宅ローンについて調べていた時、全国保証という名前を聞いたことはありませんか。実際には、住宅ローンの融資判断などに進んだときに、全国保証という名前を聞く方もいらっしゃると思います。
最近は、提携金融機関が増えた関係で、住宅ローンの保証会社に全国保証が利用されていることが多々あります。今回は、系列の保証会社との違いなど、全国保証について解説していきます

注文住宅

 

公的金融の流れを引く、全国保証の歴史

昔は住宅金融公庫という政府系金融機関が、民間金融機関が手がけない住宅ローンを一手に引き受けていました。そして、厚生年金加入者などに年金資金を住宅ローンとして融資する、年金福祉事業団が存在していました。

ほとんどの方は、公庫と年金の併せ貸しで所要資金が賄えたため、公的金融は大変重宝されていました。そんな中、1981年に年金福祉事業団が行う融資の保証会社として、全国保証株式会社が設立されました。

その後、小泉政権の郵政改革で、郵政資金である財政投融資を多額に利用する、住宅金融公庫と年金福祉事業団が民業圧迫批判をうけました。これにより、住宅金融公庫は現在の住宅金融支援機構へ、年金福祉事業団は年金積立金管理運用独立行政法人へ引き継がれました。

 

民間住宅ローンの保証業務で業績拡大

年金福祉事業団が実質的に解散したのは2001年ですが、今までの保証業務先が無くなることは、全国保証にとっても死活問題です。そこで、1997年から民間金融機関の住宅ローン保証業務を開始し、教育ローン保証、アパートローン保証、カードローン保証などの取扱も順次開始しました。

その後、景気低迷などにより低金利が継続したことで住宅ローン市場が拡大。2011年に創立30周年を迎えるとともに、2012年には東京証券取引所第一部に上場、2016年には保証債務残高10兆円を達成しました。

 

金融機関にとっても都合が良い理由

では、何故ここまで全国保証の業績拡大が続いたのでしょうか。それには、全国保証の位置付けが影響しています。通常、住宅ローンを組むときは、ほとんどの金融機関は系列の保証会社を利用します系列の保証会社の方が保証料を安く設定出来ますし、仮に延滞などが発生しても連携が取りやすいため、早期に対処出来るからです。

しかし、系列の保証会社に断られた場合、今までは融資を断念せざるを得ませんでした。系列の保証会社が断る案件は、ほとんどがリスクが高いため保証できないものですが、融資を拡大したい金融機関としては何とか実行したいものです。そこで、全国保証に保証を依頼し、保証料が多少高くなっても、全国保証の保証で融資を実行してきました

それ故に、全国保証が保証している案件はリスクが高いものが多いのですが、リスクに応じた保証料を徴収しているため、不良債権化した案件も保証料で処理し、業績を拡大しているのです。また、最近はどの金融機関でも住宅ローンを扱うようになりましたが、系列の保証会社が無い金融機関もあります。その場合も全国保証を利用することで、融資を実行できるようになりました。

 

住宅ローン金利上昇時が最大の懸案事項

最近は、三菱東京UFJ銀行などのメガバンクなどでも、リスクの高い案件は全国保証を利用するなどしています。ただ、金融機関にとって美味しいのは、仮に案件が不良債権化した場合でも、全国保証を利用すれば、自行の不良債権比率は上昇しないということです。

2000年の金融危機以降、金融機関は金融庁から厳しく管理されるようになり、不良債権比率などにはかなり敏感になっています。安全な案件は自前の保証会社、リスクのある案件は全国保証と棲み分けているのです。
逆に言えば、全国保証を利用させられ高い保証料を払わされた債務者は、住宅ローンは利用出来たものの、銀行の保証会社からは断られた可能性が高いと言えるでしょう。

このような形で、住宅ローンの利用者が広がったのは良いのですが、全国保証が業績拡大を続けていたのは低金利時代です。今後、日銀の出口戦略が議論され、住宅ローン金利が上昇した時に、全国保証に想定以上の不良債権が集まらないか危惧されます。

 

まとめ

全国保証を利用する案件は、保証料が数百万円など、かなり多額になることもあります。この場合、住宅ローンを利用したいのもわかりますが、金融機関からはリスク案件と扱われています。一度冷静になって、一歩引く勇気も必要なように感じます。

 

 

【目次:住宅ローンコラム】

1:安心できる住宅ローンの借入限度額はどれくらいなのか

2:住宅ローンではどれくらいの費用がかかるのか(上編)

3:住宅ローンではどれくらいの費用がかかるのか(中編)

4:住宅ローンではどれくらいの費用がかかるのか(下編)

5:住宅ローンの流れを、マンションと注文住宅で比較してみる

6:住宅ローンを組んだら生活保障の見直しをしましょう!

7:住宅ローン控除を最大限活用する(前編)

8:住宅ローン控除を最大限活用する(後編)

9:一部繰上返済制度を活用して総返済額を減らす

10:平成30年(2018年)の住宅ローン金利動向を予測する

11:最初のローンが肝心、借り換えをお勧めできない理由

12:住宅ローンの返済が苦しくなったら迷わず相談

13:個人信用情報機関を正しく理解しましょう

14:「平成30年(2018年)は住宅購入最後のチャンス(前編)」

15:「平成30年(2018年)は住宅購入最後のチャンス(後編)」

16:「共働き夫婦におすすめの住宅ローンの「デュエット」とは?」

17:「変動金利と固定金利の良いとこどりのミックスプランとは?」

18:「住宅ローンの新規では変動と固定どちらが多いのか」

19:「住宅ローンを使って建てた家を勝手に貸してはダメな理由」

20:「親の贈与を受ける場合のメリットとデメリット」

21:「長期優良住宅の家づくりをするときに適した住宅ローン」

22:「住宅ローンを組む時に「自然災害特約」は付けるべきか」

23:「住宅ローン審査もアプリの時代へ」

24:「ネット銀行の審査が一般的な銀行と違う理由」

25:「ライフプランに合わせられる、新生銀行の住宅ローン」

26:「変わり始めた住宅ローン勢力図。メガバンクVS地方銀行」

27:「変動金利の金利上昇ルール「5年ルール」と「125%ルール」とは」

28:「日銀展望レポートから見る、今後の住宅ローン金利動向」

29:「フラットは何故どこでも借りられるのか、その構造を理解しよう」

30:「2月の住宅ローンは固定金利が大幅上昇!今後の行方は?」

31:「銀行が勧める、短期固定金利の住宅ローンの危険性」

32:「イオンをよく利用する人はイオン銀行が便利でお得?」

33:「ゆうちょ銀行の住宅ローン利用には注意が必要」

34:「世界同時株安NYダウは過去最大の下落!住宅ローン金利に与える影響は?」

35:「ライフプランに合わせた住宅ローンの返済額の作り方」

36:「住宅ローンを抱えて離婚したらどうすればいい?」

37:「住宅ローンを組む事が不安な方にオススメの制度」

38:「被災された方は災害復興融資の利用を(前編)」

39:「被災された方は災害復興融資の利用を(後編)」

40:「預金連動型住宅ローンの注意点(前編)」

41:「預金連動型住宅ローンの注意点(後編)」

42:「3月の住宅ローン金利、長期固定金利が軒並み低下」

43:「住宅ローンを組む時に、安易な収入合算には要注意」

44:「財形住宅融資制度について、わかりやすく解説します(前編)」

45: 「財形住宅融資制度について、わかりやすく解説します(後編)」

46:「フラットの買取型と保証型の違い、何がどう違うのか」

47:「フラットが9割超融資で金利を引き上げた意味」

48:「三井住友信託銀行の住宅ローン自動返済、メリットと注意点」

49:「余分なカード信用枠は住宅ローン審査にデメリット」

50:「住宅ローン利用者の裾野を広げた「全国保証」とは?」←今回のコラム

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