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住宅ローン

2018.02.12

住宅ローンを抱えて離婚したらどうすればいい?

残念なことに、日本の離婚率の推移は年々増加し、現在では夫婦の3組に1組が離婚しています。離婚の時期は様々かもしれませんが、住宅ローンを抱えた状態で離婚に至ることもあるでしょう。今回は、そのような状態に陥ったときにどう対処すべきか解説します。

置き去られた結婚指輪

金融機関への連絡は面倒でも必須

離婚が決まった場合、今後の生活をどうするかが最優先の課題となるでしょう。お互いに新しく住むところがあり、今まで住んでいた自宅の売却資金で住宅ローンを完済できるのであれば、金融機関への連絡は必要ないかもしれません。

しかし、このような恵まれた環境で離婚できる人はわずかで、大抵は不貞行為を行った人が自宅を出て行き、住宅ローンも払い続けるような合意をするのではないでしょうか。この場合も、金融機関へは迷惑をかけていないのだから連絡不要と考える人が多いのですが、既に違反を犯しています。

まず、自宅を出て行く人が住宅ローンの債務者だった場合、本来は自宅に住むことを条件に融資している訳ですから、自ら居住違反となります。この場合は、自宅に住み続ける人が債務を承継しなければならず、法律的には免責的債務引受(めんせきてきさいむひきうけ)という契約が必要となり、これには金融機関の承認が必要です。

自宅に住み続ける人が債務者だった場合は、そのまま返済していればわからないかもしれませんが、離婚という重大な身分行為をしている訳ですから、念のため金融機関に連絡しておいた方が良いでしょう。

 

夫婦共働き世帯が離婚する場合

ここから実務的な話になります。金融機関としては、離婚という身分行為があった場合、今後も債務者が返済を継続出来るのかの判断が必要です。この場合、共働き世帯と専業主婦・パート世帯では今後の流れがだいぶ違ってきますので、ここからは別けて解説します。

仮にご主人だけが債務者で自宅を出て行く場合、金融機関としては奥様が債務を引き受ける、上記の免責的債務引受の申請をするよう促します。この審査で、奥様だけで返済出来ると判断出来れば、今後は奥様だけが債務者となり、自宅に住み続けながら住宅ローンを返済していきます。

最近は、奥様も正社員として働いている場合も多いため、審査が通れば良いのですが、どうしても奥様の方が年収が少ないなどの問題点があります。このような場合、金融機関としては返済負担率(年間返済額÷年収)を引き下げるために、追い金を入れるよう求めてくることもあります。

 

専業主婦・パート世帯が離婚する場合

問題となるのが、専業主婦・パート世帯です。残念ながら、ご主人の債務を奥様が引き受けても、金融機関の審査に通りません。ここで、考えられる案として債務者を追加する重畳的債務引受(ちょうじょうてきさいむひきうけ)です。

例えば、親や兄弟など安定した収入がある親族が同居し債務者となると同時に、パートの奥様も債務者となり、連帯債務の形を取ることで、金融機関の審査を通りやすくするのです。奥様にパート収入があれば、親族の方は連帯保証人でも可能な場合があります

ここで何もしなければ、返済の継続性なしと判断され、自宅を売却せざるを得なくなる可能性が高くなります。仮に債務が残った場合は、自宅の売却資金と相殺しますが、その債務は無担保債務として返済していかなければなりません。

 

まとめ

このように、住宅ローンを抱えた状態で離婚に至ると、様々な問題が生じてきます。財産分与ということで、奥様に所有権だけ移転している例も多々ありますが、その場合はご主人の自ら居住違反になると同時に、住んでいない自宅の住宅ローンを勤勉に払い続けられる人は少なく、結局は自宅の売却で債務が残ることが多いです。

当事者同士の判断ですので、離婚に至るのはやむを得ないにしても、上記のような手間暇が余分にかかるという覚悟はしておきましょう。

 

 

【目次:住宅ローンコラム】

1:安心できる住宅ローンの借入限度額はどれくらいなのか

2:住宅ローンではどれくらいの費用がかかるのか(上編)

3:住宅ローンではどれくらいの費用がかかるのか(中編)

4:住宅ローンではどれくらいの費用がかかるのか(下編)

5:住宅ローンの流れを、マンションと注文住宅で比較してみる

6:住宅ローンを組んだら生活保障の見直しをしましょう!

7:住宅ローン控除を最大限活用する(前編)

8:住宅ローン控除を最大限活用する(後編)

9:一部繰上返済制度を活用して総返済額を減らす

10:平成30年(2018年)の住宅ローン金利動向を予測する

11:最初のローンが肝心、借り換えをお勧めできない理由

12:住宅ローンの返済が苦しくなったら迷わず相談

13:個人信用情報機関を正しく理解しましょう

14:「平成30年(2018年)は住宅購入最後のチャンス(前編)」

15:「平成30年(2018年)は住宅購入最後のチャンス(後編)」

16:「共働き夫婦におすすめの住宅ローンの「デュエット」とは?」

17:「変動金利と固定金利の良いとこどりのミックスプランとは?」

18:「住宅ローンの新規では変動と固定どちらが多いのか」

19:「住宅ローンを使って建てた家を勝手に貸してはダメな理由」

20:「親の贈与を受ける場合のメリットとデメリット」

21:「長期優良住宅の家づくりをするときに適した住宅ローン」

22:「住宅ローンを組む時に「自然災害特約」は付けるべきか」

23:「住宅ローン審査もアプリの時代へ」

24:「ネット銀行の審査が一般的な銀行と違う理由」

25:「ライフプランに合わせられる、新生銀行の住宅ローン」

26:「変わり始めた住宅ローン勢力図。メガバンクVS地方銀行」

27:「変動金利の金利上昇ルール「5年ルール」と「125%ルール」とは」

28:「日銀展望レポートから見る、今後の住宅ローン金利動向」

29:「フラットは何故どこでも借りられるのか、その構造を理解しよう」

30:「2月の住宅ローンは固定金利が大幅上昇!今後の行方は?」

31:「銀行が勧める、短期固定金利の住宅ローンの危険性」

32:「イオンをよく利用する人はイオン銀行が便利でお得?」

33:「ゆうちょ銀行の住宅ローン利用には注意が必要」

34:「世界同時株安NYダウは過去最大の下落!住宅ローン金利に与える影響は?」

35:「ライフプランに合わせた住宅ローンの返済額の作り方」

36:「住宅ローンを抱えて離婚したらどうすればいい?」←今回のコラム

37:「住宅ローンを組む事が不安な方にオススメの制度」

38:「被災された方は災害復興融資の利用を(前編)」

39:「被災された方は災害復興融資の利用を(後編)」

40:「預金連動型住宅ローンの注意点(前編)」

41:「預金連動型住宅ローンの注意点(後編)」

42:「3月の住宅ローン金利、長期固定金利が軒並み低下」

43:「住宅ローンを組む時に、安易な収入合算には要注意」

44:「財形住宅融資制度について、わかりやすく解説します(前編)」

45: 「財形住宅融資制度について、わかりやすく解説します(後編)」

46:「フラットの買取型と保証型の違い、何がどう違うのか」

47:「フラットが9割超融資で金利を引き上げた意味」

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