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住宅ローン

2018.07.20

住宅ローン返済中の災害対策

平成30年7月豪雨は、西日本を中心に甚大な被害を及ぼし、住宅も損傷しました。

住宅ローンを完済していれば、新たに住宅を再建したり、補修したりする方法が考えられますが、住宅ローン返済中の場合はどうなるのでしょうか。

今回は、住宅ローン返済中、災害により、住宅が損傷した場合の対応策を考えます。

焼けた家

住宅ローン返済中の被害は火災保険で担保

まず、住宅ローンを組むときには、火災保険に加入することが必須となっています。

これは、貸し手である金融機関が、担保となっている住宅が損傷したときの損失を、火災保険金で賄うためです。

そのため、金融機関からは、住宅ローンの残債以上、住宅の時価額未満の火災保険に加入することが求められます。

この条件に合致する、火災保険に加入してもらうことで、金融機関は全額を回収出来ます。

その火災保険ですが、2015年9月末までは、住宅ローンの返済期間に合わせて、35年間などの一括契約が出来ました。

火災保険料は、長期係数といって、期間が長くなればなるほど、火災保険料の割引率が高くなる制度だったので、

ほとんどの方は住宅ローン契約時に、火災保険の長期契約を締結することで、火災保険の掛け忘れを防ぐことが出来ました。

しかし、損害保険各社が、日本の災害リスクを長期に渡って算出することが不可能として、

2015年10月以降は最長契約期間が10年間に制限され、以後は更新する制度に変更になりました。

同時に、火災保険料も3~5%値上げされました。

(火災保険料は来年にも再値上げされるとの報道もあります)

最長10年更新になったことで、火災保険料が実質的に値上げになったことに加え、

火災保険料の掛け忘れが生じるリスクが出てきました。

最初の契約の時は、きちんと火災保険を契約しても、更新時は必ず漏れが生じます。

一般的な相場として、30坪程度の新築戸建の場合、10年契約で20万円弱の火災保険料が必要になります。

しかし、家計のライフプラン的に、一度に20万円弱を用意できない場合もあります。

そして不幸にも、火災保険を付保していない状態で災害にあった場合、住宅ローンがそのまま残り、

住宅を再建しようにも2重ローンとなり、住宅の再建が進まない要因になります。

 

火災保険対象外のリスクにどう対処すべきか

平成30年7月豪雨は、火災保険をきちんと付保していれば、住宅ローンは火災保険金により完済され、従前の住宅ローンは残りません。

しかし、火災保険で保障されない、地震・噴火・津波を原因とする、火災・損壊・埋没・流失に遭遇した場合は、どうすればよいのでしょうか。

これを解決するのが地震保険です。

しかし、地震保険の補償額は、法律によって、主契約である火災保険の保険金額の30~50%の範囲で、

かつ居住用建物の場合は、上限が5,000万円と定められています。

また、5年ごとの更新しかなく、地域によって保険料に差があるため加入率は低く、東海地方では東海地震などが意識されているものの、

愛知県で40.3%、岐阜県で34.6%、三重県で27.9%などとなっています。(2016年度、全国平均は30.5%)

ただし、火災保険対象外のリスクであっても、住宅ローンを完済する方法は存在します。

現在は方法が限られますが、三井住友銀行が提供している、自然災害時返済一時免除特約付き住宅ローン(残高保障型)で住宅ローンの50%を免除してもらい、

残りを火災保険の50%に制限されている、地震保険金で支払う方法です。

この三井住友銀行の自然災害特約に関しては、このコラムの22回目で詳しく解説していますので、ご覧頂けたらと思います。

 

住宅再建には災害復興住宅融資を利用する

ここまでは、従前の住宅ローンがどうなるか解説してきましたが、住宅が損傷している場合、住宅を再建するか補修する必要があります。

ここで活用して頂きたいのが、住宅金融支援機構が提供する、災害復興住宅融資です。

再建の場合は、り災証明書が全壊である必要がありますが、申出書を提出することで、大規模半壊や半壊でも融資を受けられる可能性があります。

(補修の場合はり災証明書の程度は問いません)

災害復興住宅融資の特徴は、政府からの補給金が提供されているため、極めて低い利率で融資を受けることが出来ることです。

ちなみに6月の全期間固定金利は、基本融資額が年0.55%、特例加算額が年1.45%です。また、融資手数料も無料です。

災害復興住宅融資に関しても、38と39回目のコラムで詳しく解説していますので、ご覧頂けたらと思います。

 

まとめ

災害が発生して、住宅再建や補修までたどり着くには、様々な困難が待ち受けています。

第一歩を踏み出すのは容易ではありませんが、その第一歩を踏み出して頂けることを願っています。

 

 

 

住宅ローンについてのコラム一覧

 

1:安心できる住宅ローンの借入限度額はどれくらいなのか

2:住宅ローンではどれくらいの費用がかかるのか(上編)

3:住宅ローンではどれくらいの費用がかかるのか(中編)

4:住宅ローンではどれくらいの費用がかかるのか(下編)

5:住宅ローンの流れを、マンションと注文住宅で比較してみる

6:住宅ローンを組んだら生活保障の見直しをしましょう!

7:住宅ローン控除を最大限活用する(前編)

8:住宅ローン控除を最大限活用する(後編)

9:一部繰上返済制度を活用して総返済額を減らす

10:平成30年(2018年)の住宅ローン金利動向を予測する

11:最初のローンが肝心、借り換えをお勧めできない理由

12:住宅ローンの返済が苦しくなったら迷わず相談

13:個人信用情報機関を正しく理解しましょう

14:「平成30年(2018年)は住宅購入最後のチャンス(前編)」

15:「平成30年(2018年)は住宅購入最後のチャンス(後編)」

16:「共働き夫婦におすすめの住宅ローンの「デュエット」とは?」

17:「変動金利と固定金利の良いとこどりのミックスプランとは?」

18:「住宅ローンの新規では変動と固定どちらが多いのか」

19:「住宅ローンを使って建てた家を勝手に貸してはダメな理由」

20:「親の贈与を受ける場合のメリットとデメリット」

21:「長期優良住宅の家づくりをするときに適した住宅ローン」

22:「住宅ローンを組む時に「自然災害特約」は付けるべきか」

23:「住宅ローン審査もアプリの時代へ」

24:「ネット銀行の審査が一般的な銀行と違う理由」

25:「ライフプランに合わせられる、新生銀行の住宅ローン」

26:「変わり始めた住宅ローン勢力図。メガバンクVS地方銀行」

27:「変動金利の金利上昇ルール「5年ルール」と「125%ルール」とは」

28:「日銀展望レポートから見る、今後の住宅ローン金利動向」

29:「フラットは何故どこでも借りられるのか、その構造を理解しよう」

30:「2月の住宅ローンは固定金利が大幅上昇!今後の行方は?」

31:「銀行が勧める、短期固定金利の住宅ローンの危険性」

32:「イオンをよく利用する人はイオン銀行が便利でお得?」

33:「ゆうちょ銀行の住宅ローン利用には注意が必要」

34:「世界同時株安NYダウは過去最大の下落!住宅ローン金利に与える影響は?」

35:「ライフプランに合わせた住宅ローンの返済額の作り方」

36:「住宅ローンを抱えて離婚したらどうすればいい?」

37:「住宅ローンを組む事が不安な方にオススメの制度」

38:「被災された方は災害復興融資の利用を(前編)」

39:「被災された方は災害復興融資の利用を(後編)」

40:「預金連動型住宅ローンの注意点(前編)」

41:「預金連動型住宅ローンの注意点(後編)」

42:「3月の住宅ローン金利、長期固定金利が軒並み低下」

43:「住宅ローンを組む時に、安易な収入合算には要注意」

44:「財形住宅融資制度について、わかりやすく解説します(前編)」

45:「財形住宅融資制度について、わかりやすく解説します(後編)」

46:「フラットの買取型と保証型の違い、何がどう違うのか」

47:「フラットが9割超融資で金利を引き上げた意味」

48:「三井住友信託銀行の住宅ローン自動返済、メリットと注意点」

49:「余分なカード信用枠は住宅ローン審査にデメリット」

50:「住宅ローン利用者の裾野を広げた「全国保証」とは?」

51:「財務省信頼失墜!増税延期と住宅ローン金利の深い関係」

52:「50年型住宅ローンのメリット・デメリット」

53:「あなどれない、JAバンクの住宅ローン」

54:「住宅ローンの返済には、ボーナス併用払いを利用すべきか」

55:「世界標準の住宅ローンとは?リコースローンとノンリコースローン」

56:「2018年4月の住宅ローン金利は低下予想」

57:「フラット35利用者への借り換えを勧誘することは禁止されています」

58:「女性専用住宅ローンを最大限活用しましょう」

59:「職業の特性によって、住宅ローンの選び方を決める方法」

60:「転勤や借り換えした時の住宅ローン控除の再適用について」

61:「2018年4月の住宅ローン金利と5月の見通し」

62:「フラットの団体信用生命保険と民間の生命保険、どちらがお得?」

63:「5月の住宅ローン返済には要注意」

64:「自営業者の方の、上手な住宅ローンの組み方」

65:「住宅ローンキーワード:第一回・抵当権」

66:「2018年(平成30年)5月の住宅ローン金利と6月の見通し」

67:「住宅ローン利用者が選ぶ金利タイプ」

68:「住宅ローンキーワード:第2回・抵当権連帯債務者と連帯保証人の違い」

69:「住宅ローン利用時の共有名義の注意点」

70:「最近注目されている、リバースモーゲージとは」

71:「住宅ローンキーワード:第3回・住宅ローンキーワード、今回は保証会社」

72:「住宅ローンと新車購入の深い関係」

73:「6月の住宅ローン金利と7月の見通し」

74:「住宅ローンキーワード:第4回・借入可能額」

75:「住宅ローンキーワード:第5回・モーゲージバンク」

76:「住宅ローン返済中の災害対策」←今回のコラム

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