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最近の住宅ローン金利広告で注意しておきたいポイント

最近は広告手法として、グーグルアドセンスなどのネット広告が利用されています。

そして、銀行間の競争が激しい住宅ローンにおいても、そのネット広告が利用されている訳ですが、中には誇大広告に近いものも存在します。

今回はそんな誇大広告に騙されないために、住宅ローン広告を見る時の注意点などを解説します。

安く見えるけど…?

過熱する住宅ローン競争がネット広告にも波及

昔の住宅ローンにおけるネット広告は、自行の金利水準を具体的に提示するよりも、自行の住宅ローンの特徴などをアピールし、自行のサイトに訪問してもらうデザインが中心でした。

しかし、ネット銀行を中心に金利引き下げ競争が過熱、さらに疾病保障などにおいても他行と差別化が図れない中、必然的にアピールすべきは金利の低さという流れになっています。

 

ここで、ネット銀行などが注目したのが、新規よりも借り換えの方が金利を低く設定できるため、借り換えの金利をネット広告の中心に表示する方法です。

なぜ新規よりも、借り換えの金利の方が低く設定できるのか。

これは、新規がこれから住宅ローンを組む、全く返済実績のない顧客を相手にするのに対し、借り換えは既に他の銀行が融資承認済みかつ返済実績もあるので、顧客の信用度が高くなるからです。

 

こうして、通常は新規の顧客向けの金利をアピールするところ、借り換えの金利でアピールする銀行が出てきました。

誇大広告と考えられるのは、あたかも新規の顧客向けの金利に見せかけて、下に小さく借り換えの場合と表記している所です。

恐らく、この広告を見たほとんどの人は、新規の顧客向けの金利と勘違いしているものと考えられます。

 

また、返済期間が短い方が住宅ローン金利が低くなる点を、逆手に取った広告も散見されます。

例えば、全期間固定金利のフラット35においては、借入期間が21年以上35年以下と、借入期間が20年以下では、年0.1%前後、後者の方が低くなります。

そしてここでも、あまり一般的ではない、返済期間20年以下のフラット20の金利を大きく表示し、下に小さく返済期間20年以下の場合と表示するのです。

 

このような、誇大広告に近いネット広告が出てきたのは、つい最近のように感じますが、銀行にとって最も大切な信用を、自ら放棄しているようで残念です。

 

誇大広告の具体例を検証

では、実際の誇大広告を検証していきましょう。

まずは、新規と借り換えを混在させて、顧客を惑わす事例です。

 

この事例では、住信SBIネット銀行のネット広告が、非常にわかりにくい表示となっています。

ネット広告の中心には、年0.428%と大きく表示されています。

新規の金利と勘違いしてしまうと、恐らく変動金利の最低水準と考えてしまうでしょう。

しかし、年0.428%の下には、本当に小さい数字で「借り換えの場合」と記載されています。

この広告は、「借り換えの場合」と記載しているものの、背景色と同色にするなど、新規と勘違いさせる意図が含まれていると指摘されても、仕方がないように感じます。

 

次にフラット35の金利差を利用した広告です。

これは、楽天銀行のフラットの広告が当てはまるでしょう。

住信SBIネット銀行と同じように、最低金利のフラットの数字がネット広告の中心を占めています。

ほとんどの人が、フラット35を利用することを考えると、この数字は本来、フラット35の金利を表示しているはずです。

しかし、フラットとだけ表示し、下に小さく返済期間20年以下の場合と記載されているので、この数字はフラット20の金利だとようやくわかります。

フラット35においては、最低金利が横並びになっているため、敢えてフラット20の金利を使うことで、少しでも金利の低さをアピールする狙いがあるものと考えられます。

 

広告の表記だけで判断せず、必ずサイトを訪問

このように、現在は住宅ローン競争が激化しすぎて、銀行のモラルがかなり低下しています。

それ故に、ネット広告の数字だけで判断してしまうと、後で痛い目に会うことも想定されます。

 

従って、ネット広告の数字だけでは判断せず、必ず検討中の銀行のサイトを訪れ、注意深く、数字をチェックすることが大切です。

サイトだけで判断出来ないときは、コールセンターに確認するなどして、正しい情報を入手するよう心掛けて下さい。
 

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