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住宅ローンキーワード:第10回・司法書士報酬

不動産の売買などにおいては、「登記」という制度を活用し、自分達の権利を守ります。ただし、登記は素人

にはわかりにくいため、登記の専門家である「司法書士」に依頼することになります。

今回は自宅を新築した場合に、登記を司法書士に依頼することにより、どの程度の費用がかかるのかを解説

します。

登記

そもそも、「登記」制度とは

土地や建物を見ただけでは、誰が所有者かは正確にはわかりません。確かに、建物には表札が掛かっていて、同

じ人が長年住んでいれば、その人が所有者だという推定は働きますが、あくまで推定の域を出ません。

仮に、この所有者らしき人が、第三者にその土地と建物を売却すると持ち掛けた場合、その第三者は本当に所有

者なのか、不安に駆られながら、高額な不動産の取引をせざるを得なくなります。

これでは、不動産の取引において安全が担保できないため、その土地や建物の所有者は、その地域を管轄する

法務局に、登記をすることが義務付けられています。

例えば先ほどの例では、第三者が登記により売主が正しいことを確認した後、決済完了後に、元の所有者が義務

者、新しく所有者になる第三者が権利者という形で、登記の所有権が第三者に移転します。

この登記のポイントは、「共同申請」、つまり不動産の権利を失う、元の所有者が義務者となることで、真正な

登記申請を担保しています。

(仮に、権利を得る第三者のみで申請出来るとすると、実効性が担保出来ません)

なお上記の事例で、第三者が登記により売主であることを確認したと記述しましたが、誰が所有者であるかどう

かを確認することは、誰でも出来る制度となっています。

このような取引をする時には当然ですが、例えば、不動産会社の営業マンが土地などの実質的な所有者を登記で

調べ、その人宛に売却広告を出すなど、プライバシーが侵害されているという問題点もあります。

個人でもインターネット上の、「登記情報提供サービス」を利用することで、所有者や抵当権などの担保物権の

有無を確認できます。(手数料はかかります)

 

司法書士が必要な理由とは

ここまでの文章をご覧になって、ほとんどの人は、登記は難しいと感じたのではないでしょうか。

そこで登場するのが、登記を専門とする司法書士という専門家です。

政府の司法制度改革により、最近は司法書士も簡易裁判所の代理権など、弁護士に近い権限も付与されています

が、司法書士と言えば、やはり登記です。

ちなみに、この司法書士試験は1年に1度行われますが、科目数が多い上に、合格率も3%を割っています。

そういう意味では、信頼できる専門家といえるでしょう。

そして、住宅ローンを組んで自宅を新築した場合、お金を貸した金融機関は抵当権という、担保物権を必ず登記

し、いざという時はそれを実行して、自宅を競売(けいばい)します。

従って、自宅を新築した場合、土地は所有者の名義になっているとしても、建物は所有者であることを示す保存

登記、土地と建物には金融機関を権利者とする抵当権(共同抵当)を設定します。

 

登記と司法書士報酬でどの程度かかるのか

今回は、新築建物の保存登記と抵当権設定登記の概算金額を算出しますが、保存登記をするには新築建物の

評価額が必要です。

通常は、時価の7割程度と言われる、固定資産税評価額が基準になりますが、今回はわかりやすくするため

に、新築建物の評価額は1,500万円とします。また、抵当権の金額も1,500万円とします。

登記においては、誰が行ってもかかる登録免許税があり、新築建物の保存登記は本則が4/1000、自己居住用の

新築建物の保存登記は1.5/1000に軽減されています。

また、金融機関が権利者となる抵当権設定登記も、本則が4/1000、自己居住用であれば1/1000に軽減されて

います。

以上を踏まえて計算すると

 

新築建物の保存登記:1,500万円×1.5/1000=22,500円、

新築建物の抵当権設定登記:1500万円×1/1000=15,000円

共同抵当分:1,500円

合計金額:39,000円

 

登録免許税自体は、4万円弱となりました。

ここに、司法書士の登記申請代行手数料や日当といった、いわゆる司法書士報酬が発生します。

最近は、弁護士同様、司法書士も競争が激しくなり、報酬は下落傾向ですが、この報酬金額は地域によって

かなり差があります。

今回の事例は、一番オーソドックスな登記ですので、司法書士報酬は仮定の10万円としておきます。

そうすると、登録免許税と合計しても15万円以内となります。

一般的に、登録免許税と合わせた司法書士報酬は20万円以内に収まると思いますが、ここは必ずしっかり確認

するようにして下さい。

 

 

 

 

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