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6月の住宅ローン金利と7月の見通し

当初、6月12日にシンガポールで開催予定だった米朝首脳会談は、双方の思惑が一致せず、一旦中止となりましたが、再度開催されることになりました。

ただし、実際に開催されるかはまだ不透明感が強く、金融市場では、米長期金利が低下したこともあり、為替が1ドル=111円台から109円台へと急速に円高が進行しています。

円高は株安を招き、株安は債券高(長期金利低下)を招くことから、7月の住宅ローン金利には下押し圧力がかかりやすくなりそうです。

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6月の住宅ローン金利、振り返り

変動金利

変動金利は、短期プライムレートに連動する仕組みになっていますが、その短期プライムレートは2009年1月13日以降、年1.475%で据え置かれています。

従って、金融機関の競争がなければ、これ以降の変動金利は低下しないのが論理的な結論です。

しかし、日銀のマイナス金利政策で、調達金利が短期プライムレートの水準を大幅に下回った結果、短期プライムレートの水準は有名無実化し、変動金利で0.5%を割り込む水準まで低下しています。

現在の所、日銀は物価上昇率が2%を達成するまでマイナス金利政策を続ける考えで、そうすると変動金利の水準は、金融機関の体力勝負ということになります。

従って、変動金利に関しては、当面は横ばいが続くと考えていますが、地方銀行の収益悪化が著しく、場合によっては収益悪化を食い止める観点から、変動金利の水準を多少引き上げる動きも想定されます

 

固定金利

次に、フラット35などの全期間固定金利ですが、これは10年物国債の利回り(長期金利)にほぼ連動し、期間が長くなればなるほど、20年や30年といった超長期国債(超長期金利)の利回りにも左右されます。

金融機関は、今月分の資金調達を前月に済まして、今月の金利を発表しているため、今月の金利が決まった背景を知るには、前月の動向を分析する必要があります

その前月に該当する5月は、米朝首脳会談が決定したり、米長期金利が節目の3%を突破するなど、全体的にはリスクオンの流れが強まり、為替は1ドル=110円台まで円安が進みました。

日銀が何もしなければ、円安・株高・債券安(長期金利上昇)となり、全期間固定金利も上昇する所でしたが、日銀が金融機関が持っている国債を買い取るオペレーション(買いオペ)を市場予想以上に実施しました。

これにより、市場関係者へ日銀の長期金利を抑え込む姿勢が伝わり、債券は高値で安定推移し、長期金利が上昇することはありませんでした。

結果として、フラット35は0.02%の小幅上昇、メガバンクの全期間固定金利は横ばいとなりました。

 

7月の住宅ローン金利はどうなる

固定金利の解説でも書いたように、7月の住宅ローン金利動向を予測するには6月の金利水準を予測する必要があるのですが、5月よりもマイナス要因が多く、結果的には横ばいの可能性が高いと考えています。

まず、米朝首脳会談が開催されることになったものの、不透明感は拭えず、このような状況ではポジションをどちらかに傾けにくく、全体的な指標は、トータルでは横ばい推移しやすくなります。

また、米長期金利は節目の3%を突破しましたが、この金利上昇が米経済に悪影響を及ぼすのではないかとの味方もあり、これもプラス要因とはなりにくくなってきています(現在の米長期金利は3%を割っています)。

さらに、イタリアの政局混迷は一旦落ち着いたものの、先行き不透明が強く、EUとの衝突懸念が強まっているほか、EUなどが米に報復関税を打ち出したことも、マイナス要因となりそうです。

これらの要因により、ドル円は1ドル=111円台から109円台へ、ユーロ円は1ユーロ=130円台から127円台へ、共に円高が進行しています。

結果として、円高・株安・債券高(長期金利低下)の流れになりやすく、そうなると6月の金利水準は低下、7月の住宅ローン金利には下押し圧力がかかりやすくなります

 

まとめ

このように見ていくと、7月の変動金利は横ばいとして、全期間固定金利は低下の余地もありますが、すでにここまで長期金利の水準が低いということは、債券価格がかなり高値であるのも事実です。

そうなりますと、日銀が新たな金融緩和をするならともかく、市場関係者も積極的には上値を追うとも考えにくく、7月の全期間固定金利は横ばいの可能性が高いと考えています。

 

 

 

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