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住宅ローンと新車購入の深い関係
これは注文住宅や、完成まで時間がかかる、新築マンション購入で生じる問題です。
当然ながら、先に契約を交わすのですが、住宅ローンに関する実質的な審査はまだ行われていません。
ここで、住宅購入者としては、購入した住宅に思いが募り、新車や家具・家電などを何にしようかと、幸せな時間を過ごすことになります。
そして、住宅完成まで待てずに、先に新車をローンで買ってしまう方が多数いらっしゃいます。これが、後から住宅ローンの審査に影響するなどと考えずに・・・
今回は、何故先に新車を購入するのがマズイのか、その理由について解説していきます。
先に新車を買ってしまう人の言い訳
確かに、注文住宅では住宅が実際に完成するのに1年弱、新築マンションに至っては入居開始まで2年弱かかる物件も多数あります。
そして、住宅完成間近では住宅関係の事で頭がいっぱいになるので、出来ることから片付けていきたいという思いも理解できます。
特に、車に関しては、自分の気に入った車を見つけた場合、住宅完成を待たなくても、大きな差はないと考えがちです。
そして現在は、車の数年後の価値を自動車ディーラーがある程度保証する、残価設定型の自動車ローンが急速に普及したおかげで、以前よりワンクラス上の車種も選択できるようになりました。
このように、住宅完成まで新車購入を待てない誘惑が、到るところにあるのも事実で、この誘惑に負けてしまう人が多いのです。
先に新車を購入すると何が問題なのか
新車購入が現金一括であれば、特に問題はありませんが、その場合は住宅購入後に充分な流動性預金を確保しているか、確認するようにして下さい。
そしてほとんどの方は、住宅完成時に様々な支出が重なることを考慮して、残価設定型などの自動車ローンを利用することになります。
ここで、金融機関に提出する審査書類の時期が、住宅ローンに悪影響を及ぼします。
通常は、住宅メーカーと契約を交わす前に、金融機関に事前審査という形で承認を貰います。
ここで、自動車ローンは存在していません。
次に、金融機関に本審査という形で審査を受けたときに、事前審査では無かった、自動車ローンの債務が乗っかってしまうのです。
年収が高く、返済負担率(年間返済額÷年収✕100)が元々低い方であれば問題ないかもしれませんが、新築住宅に合わせた新車は高級車になることが多く、この自動車ローンが返済負担率を高めてしまうのです。
金融機関では、一定の返済負担率に抑える独自の基準がありますし、フラット35などは年収400万円未満の世帯では30%以下、年収400万円以上の世帯では35%以下が基準になると公にしています。
つまり、住宅ローンと自動車ローンにより返済負担率が上昇し、最悪の場合は「減額承認」などの措置が取られることもあります。
実際に国産高級車でシミュレーション
年収350万円の方が、金融機関の審査金利4%、35年返済で計算した場合の借入可能額は1,976万円になりますので、借入額は総額で1,950万円とします。
借入額を1,950万円とした場合で、貸出金利2%のフラット35で計算すると、毎月返済額6.5万円、年間返済額は6.5万円✕12ヶ月で78万円となります。
仮に、自動車ローンが無い、この状態での返済負担率は78万円÷350万円✕100=22.2%となり、上記のフラット35の年収400万円未満の世帯基準30%を下回ります。
ここで、トヨタの最高級ミニバンであるアルファードを住宅完成前に購入していた場合、現金支払い総額は416万円程度となります。
ただし、ここで残価設定型の36回払いを利用すると、35回までは毎月返済額4.16万円、最終回に174万円程度を支払えば良くなります。
つまり、車の年間返済額は4.16万円✕12ヶ月で49.92万円となります。
従って、最終的な返済負担率は(78+49.92)万円÷350万円✕100=36.5%となり、上記のフラット35の年収400万円未満の世帯基準30%を上回るので、減額承認が避けられません。
また、金融機関によっては、残価設定型ローンの残価部分も債務とみなして、同じ金利と期間で計算し直す所もあり、この場合はさらに自動車ローンの占める割合が大きくなります。
この問題の解決策
この問題を解決するのは簡単です。
実際に住宅が完成し、住宅購入に伴う諸費用や家具・家電などを整えた後、余裕があれば新車を購入すれば良いのです。
まずは住宅を最優先する気持ちを大切にして下さい。
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16:「共働き夫婦におすすめの住宅ローンの「デュエット」とは?」
17:「変動金利と固定金利の良いとこどりのミックスプランとは?」
19:「住宅ローンを使って建てた家を勝手に貸してはダメな理由」
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