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住宅ローンキーワード:第15回・団体信用生命保険
住宅ローンを組むにあたって、避けて通れないのが団体信用生命保険です。
端的に言えば、住宅ローンを組むためには、団体信用生命保険の審査に通らなければならないのです。
今回は、団体信用生命保険について解説します。
フラット35以外は必須加入の団体信用生命保険
住宅ローンの返済は長期に渡るうえ、借入金額が多額になるため、債務者(返済者)に不測の事態が起こり、返済が継続できなくなると、債務者だけではなく、金融機関も損失を被ります。
そこで住宅ローンでは、債務者に不測の事態が起こった場合は、保険金から住宅ローンの残債務を一括返済する、団体信用生命保険(以下、団信)の制度が昔から一般的に利用されてきました。
なお、フラット35は政府系の住宅金融支援機構が提供しているため、差別的取扱いを排除する趣旨から、団信への加入は任意としています。
しかし、仮に団信に加入しない場合、不測の事態が起こっても、保険金から住宅ローンの残債務は一括返済されないので、最終的には自宅を手放さざるを得なくなります。
従って、団信に加入しない場合は、借入金額を抑えることや、流動性資金を増やすことなど、より慎重に対応することが大切です。
なお、2017年10月よりフラット35の団信保険料の支払い方式が、金利に上乗せされるタイプに変更になりました。
それ以前は、団信保険料を毎年支払う方式だったので、団信保険料が割高になり、民間の逓減定期保険などで代替する案も紹介されていました。
しかし、団信保険料が金利に上乗せされるタイプになってから、団信保険料は民間の逓減定期保険よりも安くなっています。
今後は団信にあえて加入せず、民間の逓減定期保険で代替する方法は、減っていくものと考えられます。
実際の団体信用生命保険、加入の流れ
ここでは、スタンダードになっている、フラット35の新機構団信を題材に解説していきます。
新機構団信においては、「新機構団体信用生命保険による債務弁済充当(委託)契約申込書」と「団体信用生命保険 申込書兼告知書」を金融機関に提出します。
原則として、フラット35の借入申込み時に提出することになりますが、融資の契約手続まで、提出することが出来ます。
そして、告知事項ですが大きく分けて、4つの項目に分けられます。
最初は、「本日より最近3か月以内に医師の治療(診察・検査・指示・指導を含む)・投薬を受けたことがあるかどうか」。
次に、「本日より過去3年以内に以下の病気(心臓・血圧、脳・精神・神経、肺・気管支、胃・腸、肝臓・すい臓、腎臓、目、新生物、右記にかかげる病気(糖尿病・リウマチ・こうげん病・貧血症・紫斑症)で手術を受けたこと、または2週間以上の期間にわたり医師の治療(診察・検査・指示・指導を含む)・投薬を受けたことがあるかどうか」。
そして、「今までに、身体障害者手帳の交付を受けたことがあるかどうか。または、現在障害者手帳を申請中かどうか」。
最後に、「以下に該当する事項があるか。矯正しても左右いずれかの視力が0.2以下、聴力・言語・そしゃく機能の障害、手・足・指の欠損や機能の障害、背骨(背柱)の変形や障害」。
このように書くと、身構えてしまうかもしれませんが、いくら健康な人でもこれらに全く該当しない人はいないと思います。
それよりも、嘘を書くと、団信は運よく通るかもしれませんが、不測の事態が起こった時に、保険金が下りず、残債務が一括返済されない可能性が高まります。
とにかく、正直に詳しく書くことが鉄則です。
新機構団信に関しては、団信に加入できる場合は特段のお知らせはなしに(お知らせを希望する事も可能)、不加入の場合は金融機関から連絡があります。
ワイド団体信用生命保険を使って、最後の望みにかける
フラット35にはありませんが、民間金融機関が提供する住宅ローンの団信には、団信よりも引き受け基準を緩めた、ワイド団信というものがあります。
このワイド団信であれば、高血圧症や糖尿病、うつ病などで程度が軽ければ、団信に加入できます。
ただし、どのワイド団信も通常よりもリスクが高くなるため、住宅ローン金利に年0.3%前後が上乗せされます。
しかし、団信に不加入で諦めずに、ワイド団信で加入できることもあるため、最後まで諦めない姿勢が大切です。
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