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コラム

2018年(平成30年)5月の住宅ローン金利と6月の見通し

注目されていた南北首脳会談が終了し、次回の米朝首脳会談に注目が集まっています。

この会談の成否が、今後の北朝鮮情勢を左右するだけに、金融市場も注視しています。

米朝首脳会談の結果が金融市場に反映されるのは、早くても6月以降になりそうですので、6月の住宅ローン金利は米長期金利の上昇に警戒する必要がありそうです。

計算機とペン

5月の住宅ローン金利、振り返り

変動金利

前回の金利見通し記事でも書いたように、変動金利は短期プライムレートに連動する仕組みになっています。

なお、短期プライムレートとは銀行が1年以内で優良企業に貸し出す金利の事を指しますが、この金利は2009年1月13日以降、年1.475%で据え置かれています。

ここから各行が金利優遇を進めた結果、変動金利の水準が年0.5%などの、異常とも言える低金利になっているのです。

日銀は2%の物価上昇率が達成出来なければ、さらなる金融緩和も辞さないと強調していますが、これ以上の大幅引き下げは不可能に近いと考えています。

従って、変動金利に関しては、当面は横ばいが続くと考えて良いでしょう。

 

固定金利

次にフラット35などの全期間固定金利ですが、これは10年物国債の利回り(長期金利)にほぼ連動します。

また、期間が長くなればなるほど、20年や30年といった超長期国債(超長期金利)の利回りにも左右されます。

5月の全期間固定金利に影響を与えた、4月の出来事と言えば、世界的な政治リスクが挙げられます。

日本では、国会空転の原因ともなった森友・加計問題、財務省の事務次官による不祥事、自衛隊の日報問題などです。

また米では、トランプ大統領が突如打ち出した関税引き上げ、側近の頻繁な入れ替えなど、数え上げるとキリがありません。

これらは、リスク回避の円高・株安・債券高(長期金利低下)を誘発しましたが、同時に日銀総裁が頻繁に出口戦略(どのように金融緩和を終わらせるか)に言及したため、債券安(長期金利上昇)ともなりました。

結局は、これらが相殺しあい、フラット35やメガバンクの全期間固定金利は横ばい推移となりました。

 

6月の住宅ローン金利はどうなる

冒頭にも書いたとおり、米朝首脳会談の結果は金融市場にも大きな影響を与えそうですが、6月の住宅ローン金利は主に5月の金利水準で決定されるため、現在の金利水準を注視する必要があります。

そこで気になるのが、米長期金利が米連邦公開市場委員会(FOMC)による利上げ効果もあり、節目の3%を突破したことです。

米では、インフレも進行しており、直近の物価上昇率が日銀も目標としている2%となりました。

これによりFOMCが利上げ回数を増やすのではとの思惑も広がり、金利先高感が強まっています。

また、米以外でもヨーロッパの英独仏で長期金利が上昇しており、世界的に長期金利が上昇しやすくなっています

日本では、日銀が長期金利を抑え込んでいるものの、日米金利差拡大から円安・株高・債券安(長期金利上昇)の流れとなっています。

このような流れの中、4月26〜27日に日銀で開催された金融政策決定会合で、物価上昇率2%の達成時期を19年度ごろとする記述が削除され、波紋を呼んでいます。

日銀としては、物価上昇率2%の達成を、期限ではなく見通しへ変更する意図だったようですが、物価上昇率2%の達成時期に日銀が自信を持てなくなった現れと見る向きもあります。

これにより、再度長期金利は0.05%近辺のボックス圏相場に入ったとの見方もあり、日銀自身で物価上昇率2%の達成時期を、遠ざけてしまった感があります。

 

まとめ

このように見ていくと、来月の変動金利、固定金利とも横ばいの可能性が最も高いと考えられますが、米長期金利の上昇により、今まで抑えられていた超長期金利が上昇する気配を見せています。

これが一時的なものか確認する必要がありますが、超長期金利が以前より高止まりするようですと、全期間固定金利は多少上昇する可能性も考えられます。

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