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コラム

最初のローンが肝心、借り換えをお勧めできない理由

数年前から銀行では、既存の借り入れ顧客に現在の低金利をアピールし、借り換え需要を積極的に喚起してきました。

これは、新規の顧客が現在の低金利に慣れてしまい需要が盛り上がらない中、既存の高金利で借りた顧客であれば、現在の低金利の価値を訴求出来ると考えたからです。

銀行の思惑通り、5年前程度の変動金利水準でも、借り換えをすれば毎月や総返済額が減らせるとあって、借り換えは大人気となりました。

また銀行にとっても、新規の顧客に比べて既存の顧客は既に返済実績があることや、高い借り換え手数料も手に入るとあって、借り換えを進めることはローリスクハイリターンのビジネスだったのです。

現在は借り換え需要が一巡した感があり借り換えは落ち着いていますが、新規の顧客の中には金利が上がれば借り換えすれば良いと考えている人がいます。ただこの考え方は甘いと言わざるを得ず、下手をすると住宅ローンで破綻しかねません。

今回は、この理論を解説していきたいと思います。

安城市の注文住宅の工務店、ホロスホームです。

 

銀行

 

現在の金利が底、借り換えで金利を下げるのは不可能

 

現在の0.5%台を切った変動金利、フラットに代表される35年固定の金利が1%台。

数年前に、この水準まで低下すると誰が予測したでしょうか。

銀行にとって、住宅ローンは家計との繋がりが作れ、延滞も少ないため、銀行業界では優良商品と言われてきました。

 

しかし、ここまで金利が低下すると、利益が出ない銀行も出てきました。

これをうけて、18年4月から三菱UFJ信託銀行が新規住宅ローンから撤退、地銀の中でも体力の無いところは撤退が相次ぐと言われています。

アメリカでも一時、日本と同じような政策を取っていましたが速やかに元に戻し、12月には利上げを行い、18年にも3〜4回の利上げを行う見通しです。

 

日本では黒田総裁が2%の物価上昇率の達成にこだわっているため、物価上昇率を達成するまではマイナス金利政策が続く見込みですが、最近の好調な日本経済などから、物価上昇率は数年以内に達成され、日本も金利上昇局面に入るのではと言われています

特に厄介なのが、今回の低金利は日銀主導であるため、日銀が出口戦略を誤ると金利の指標となる10年物国債の値段(長期金利)が急上昇する恐れがあることです

住宅ローンは基本的に長期金利に連動することから、金利が上がったから変動金利を借り換えようと考えている内に変動金利や固定金利の水準がどんどん上がり、住宅ローンの返済額が毎月、総返済額とも大幅に増えてしまう恐れがあるのです。

 

ここまでかかる、借り換え費用に驚き

 

それと、借り換え費用は住宅ローンの諸費用以上にかかることがあり注意が必要です。

借り換えというのは、現在の住宅ローンを完済し、完済費用を新しい銀行から借りて、そこで再度新たなローンを組み直すことを言います。

特に、現在は金利の低いネット銀行に借り換える人が多いのですが、借り換え手数料をネット銀行は融資金額×2.16%(税込み)としている所がほとんどですので、例えば3,000万円を借り換えた場合、648,000円の借り換え手数料がかかります。

また、不動産売買で必ず必要な登記費用に関しては、新築購入であれば登録免許税の軽減措置がありますが、借り換えでは本則の登録免許税を支払う必要があります。

銀行の債権保全上、登記は同日に実行しなければならないので、司法書士に頼まざるを得ず、この費用も50万円以上はかかるでしょう。

ケースバイケースですが、借り換えの総費用は100万円では収まらず、100〜200万円程度はかかると考えておいた方が賢明です。

また、これらの資金は原則として現金で用意する必要があります。

 

金利上昇に少しでも不安がある方は固定金利を

 

ここまで書いたように、今の金利が底の中で、借り換えを利用する必要はありません。

将来の金利上昇に少しでも不安がある人は、5年前の変動金利の水準である35年固定金利にすれば問題ありません

1番困るのは、返済額が少ないからという理由で変動金利を選ぶ人です

この場合、将来金利が上昇し返済額も上昇した時にどう対処するのか、必ず家族で話し合って下さい。

どうにでもなるでは済まされません。

 

まとめ

 

少し厳しい論調だったかもしれませんが、現在、地銀が合併連携しているのも将来の破綻危機に備えるためであり、最近の経済誌を見る限り、将来の金利上昇に舵を切る日銀の出口戦略も本格的に議論されてきた感があります。

数年後、この低金利時代は終わりを迎えるかもしれません。

 

 

 

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1:安心できる住宅ローンの借入限度額はどれくらいなのか

2:住宅ローンではどれくらいの費用がかかるのか(上編)

3:住宅ローンではどれくらいの費用がかかるのか(中編)

4:住宅ローンではどれくらいの費用がかかるのか(下編)

5:住宅ローンの流れを、マンションと注文住宅で比較してみる

6:住宅ローンを組んだら生活保障の見直しをしましょう!

7:住宅ローン控除を最大限活用する(前編)

8:住宅ローン控除を最大限活用する(後編)

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10:平成30年(2018年)の住宅ローン金利動向を予測する

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12:住宅ローンの返済が苦しくなったら迷わず相談

13:個人信用情報機関を正しく理解しましょう

14:「平成30年(2018年)は住宅購入最後のチャンス(前編)」

15:「平成30年(2018年)は住宅購入最後のチャンス(後編)」

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