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コラム

2018年4月の住宅ローン金利は低下予想

前月の16日に、翌月の住宅ローン金利を発表しているソニー銀行は、変動金利は据え置き、固定金利は全期間に渡って引き下げました。

資金調達の時期などが半月早くなるため、4月の他行の金利動向にそのまま当てはめるのは危険ですが、参考にはなります。

森友問題で、国債取引が閑散とする中、国債の利回りである長期金利は0.05%を下回って推移しています。

今回は、ソニー銀行の金利を参考に、来月の金利動向を占ってみたいと思います。

家とお金

ソニー銀行が発表する翌月金利が参考に

 

ソニー銀行は昔から、前月の16日に来月の住宅ローン金利を発表しています。

ただし、銀行というのは住宅ローン金利発表前に資金調達を済ましていることから、ソニー銀行の場合ですと前々月15日〜前月15日が資金調達期間となります。

一方で、当月の初めに住宅ローン金利を発表する金融機関は、前月1ヶ月が資金調達期間となります。

このように、資金調達時期が実質半月ずれているため、特に前月の後半に金利が乱高下すると、ソニー銀行の金利と他の金融機関の金利に齟齬が生じることもあります。

従って、前月の後半も落ち着いた動きが予想される時は、ソニー銀行の金利は参考になりますし、前月の後半に金利が乱高下すると予想される時は、その辺りも考慮して、他の金融機関の金利を予想する必要があります。

そして16日に発表された、ソニー銀行の金利は、変動金利は横ばいだったものの、固定金利は全期間に渡って低下し、中心となる固定10年が前月比0.027%低下の0.884%、固定20年超が前月比0.009%低下の1.420%となっています。(新規購入で自己資金10%以上の場合)

この原因として、ソニー銀行の資金調達にあたる時期は、日銀の指し値オペで長期金利の上限が0.1%と示されたことで、長期金利が概ね0.05%台で推移したことが考えられます。

 

森友問題の長期化懸念、国債取引成立せず

 

そして、国債取引の現場でも森友問題が影響を及ぼしています。財務省と日銀は一蓮托生の関係にあるため、財務省の決裁文書の書き換えによる悪影響を、懸念しているのです。

仮に、今までの金融政策を支えてきたアベノミクスが機能しなくなると、債券市場では国債の売り要因と買い要因、両方が考えられるため、市場参加者は身動きが取れなくなっています。

これは、政治の動きがどのように市場に波及するか現時点では不透明なためで、13日には約9ヶ月ぶりに新発10年国債の取引が終日成立しませんでした。

 

現在の流れが続けば、住宅ローン金利は低下へ

 

麻生財務大臣が辞任すれば、円安・株高を演出してきたアベノミクスが修正を迫られるため、相対的に国債が買われやすくなる(金利は低下)との意見がある一方、短期的には海外勢の仕掛け的な国債売りが出やすくなる(金利は上昇)との意見もあり、予断を許さない状況です。

ただ、現時点では海外勢も安倍内閣の総辞職は想定していないようで、当面は麻生氏の進退が長期金利やそれに連動する長期固定金利にも影響を及ぼしそうです。

いずれにしても、森友問題が3月下旬までに決着する可能性は低く、その場合、長期金利は年0.03〜年0.05%と小幅な値動きで推移する可能性が高くなります。

そうしますと、4月の金融機関の住宅ローン金利は、変動金利は横ばい、長期固定金利は低下する見込みです。

 

追伸:米のトランプ政権が対中制裁措置を決定したことで、世界的にリスクオフの流れが強まっています。これにより、長期金利には低下圧力がかかりやすくなり、4月の住宅ローン金利の下押し要因となりそうです。

 

 

【目次:住宅ローンコラム】

1:安心できる住宅ローンの借入限度額はどれくらいなのか

2:住宅ローンではどれくらいの費用がかかるのか(上編)

3:住宅ローンではどれくらいの費用がかかるのか(中編)

4:住宅ローンではどれくらいの費用がかかるのか(下編)

5:住宅ローンの流れを、マンションと注文住宅で比較してみる

6:住宅ローンを組んだら生活保障の見直しをしましょう!

7:住宅ローン控除を最大限活用する(前編)

8:住宅ローン控除を最大限活用する(後編)

9:一部繰上返済制度を活用して総返済額を減らす

10:平成30年(2018年)の住宅ローン金利動向を予測する

11:最初のローンが肝心、借り換えをお勧めできない理由

12:住宅ローンの返済が苦しくなったら迷わず相談

13:個人信用情報機関を正しく理解しましょう

14:「平成30年(2018年)は住宅購入最後のチャンス(前編)」

15:「平成30年(2018年)は住宅購入最後のチャンス(後編)」

16:「共働き夫婦におすすめの住宅ローンの「デュエット」とは?」

17:「変動金利と固定金利の良いとこどりのミックスプランとは?」

18:「住宅ローンの新規では変動と固定どちらが多いのか」

19:「住宅ローンを使って建てた家を勝手に貸してはダメな理由」

20:「親の贈与を受ける場合のメリットとデメリット」

21:「長期優良住宅の家づくりをするときに適した住宅ローン」

22:「住宅ローンを組む時に「自然災害特約」は付けるべきか」

23:「住宅ローン審査もアプリの時代へ」

24:「ネット銀行の審査が一般的な銀行と違う理由」

25:「ライフプランに合わせられる、新生銀行の住宅ローン」

26:「変わり始めた住宅ローン勢力図。メガバンクVS地方銀行」

27:「変動金利の金利上昇ルール「5年ルール」と「125%ルール」とは」

28:「日銀展望レポートから見る、今後の住宅ローン金利動向」

29:「フラットは何故どこでも借りられるのか、その構造を理解しよう」

30:「2月の住宅ローンは固定金利が大幅上昇!今後の行方は?」

31:「銀行が勧める、短期固定金利の住宅ローンの危険性」

32:「イオンをよく利用する人はイオン銀行が便利でお得?」

33:「ゆうちょ銀行の住宅ローン利用には注意が必要」

34:「世界同時株安NYダウは過去最大の下落!住宅ローン金利に与える影響は?」

35:「ライフプランに合わせた住宅ローンの返済額の作り方」

36:「住宅ローンを抱えて離婚したらどうすればいい?」

37:「住宅ローンを組む事が不安な方にオススメの制度」

38:「被災された方は災害復興融資の利用を(前編)」

39:「被災された方は災害復興融資の利用を(後編)」

40:「預金連動型住宅ローンの注意点(前編)」

41:「預金連動型住宅ローンの注意点(後編)」

42:「3月の住宅ローン金利、長期固定金利が軒並み低下」

43:「住宅ローンを組む時に、安易な収入合算には要注意」

44:「財形住宅融資制度について、わかりやすく解説します(前編)」

45: 「財形住宅融資制度について、わかりやすく解説します(後編)」

46:「フラットの買取型と保証型の違い、何がどう違うのか」

47:「フラットが9割超融資で金利を引き上げた意味」

48:「三井住友信託銀行の住宅ローン自動返済、メリットと注意点」

49:「余分なカード信用枠は住宅ローン審査にデメリット」

50:「住宅ローン利用者の裾野を広げた「全国保証」とは?」

51:「財務省信頼失墜!増税延期と住宅ローン金利の深い関係」

52:「50年型住宅ローンのメリット・デメリット」

53:「あなどれない、JAバンクの住宅ローン」

54:「住宅ローンの返済には、ボーナス併用払いを利用すべきか」

55:「世界標準の住宅ローンとは?リコースローンとノンリコースローン」

56:「2018年4月の住宅ローン金利は低下予想」←今回のコラム

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