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預金連動型住宅ローンの注意点(後編)
前編では東京スター銀行のスターワン住宅ローンを題材に、預金連動型住宅ローンについて仕組みを解説しました。東京スター銀行について敢えて沿革を書いたのは、外資系の血も引いているということを知ってもらいたかったからです。後編では、預金連動型住宅ローンで最も大切な注意点について解説します。
東京スター銀行では変動金利のルールが適用されない
以前に、変動金利では借入者を守るために、5年ルールや125%ルールが適用される金融機関と、適用されない金融機関があることは解説しました。昔からの慣行で適用される金融機関の方が多いのですが、東京スター銀行では適用されません。
もともと、普通預金と住宅ローンが同じ金額であれば利息は発生しないので、適用しないとした東京スター銀行の判断もわからないでもありませんが、普通預金が住宅ローンの半分程度しかない場合は、半年ごとの見直しには充分注意する必要があります。
なお、2018年2月現在の変動金利は、最優遇金利で年0.800%と他の金融機関と比較すると若干高くなっています。事務手数料もネット銀行と同様、融資金額の2.16%(税込み)かかりますので、中途半端に普通預金があるからといって、預金連動型住宅ローンを利用するのは危険です。専門家などに、損益分岐点などをシミュレーションしてもらうことをお勧めします。
元利均等返済の仕組みをしっかり理解する
元利均等返済とは、毎月の返済額が同じになるように計算した返済方法で、返済がしやすいことから、住宅ローン返済の主流になっています。(元金均等返済は、毎月の元金返済額は同じで、利息の減り方も金利が同じであれば早いのですが、計算上当初の返済額が最大になり、徐々に減っていくため、使い勝手が悪く、あまり利用されていません)
ただし、住宅ローンの返済明細をご覧になればわかりますが、前半ほど元金より利息の割合が多く、中間で元金と利息の割合がほぼ同じになり、後半で利息より元金の割合が多くなります。これは、前半ほど元金にかかる利息が大きいので、当然と言えば当然なのですが、毎月の返済額が同じというくくりだけで理解するのは危険です。
預金連動型住宅ローンでは返済額が増加するという特性
そして、ここからが肝心なのですが、スターワン住宅ローンでは、元利均等返済しか選べないため、上記の元利均等返済の元金と利息の内訳通りに推移します。
すると、元利均等返済にもかかわらず、毎月の返済額が異なることになると同時に、上記の元利均等返済の流れで行くと、前半ほど元金の割合が少なく、中間で同じ割合、後半で元金の割合が増加することになります。つまり、利息がかからない分、毎月の返済額が増加するという特殊な性質を持つことになるのです。
仮に元金均等返済が選択できたら、毎月同じ元金を支払えば良いのでわかりやすかったのですが、残念ながら元金均等返済は選択できません。当初の返済額が少ないと、人間はどうしても油断してしまいますが、利息がかからなくても、元金は毎月返済しなければなりません。
そこで、後半に油断して返済に困らないように、預金連動型住宅ローンでは、普通預金をさらに多めに用意しておくなどの対策が必要です。
まとめ
ここまで、スターワン住宅ローンについて解説して来ました。気になったのは、どの預金連動型住宅ローンでも上記のように普通預金と住宅ローン残高が同じ場合、毎月の返済額が増加するということが、よくある質問などでしか書いていないことです。以下に、スターワン住宅ローンの該当部分のページを記しておきますので、この解説を理解して頂けたらと思います。
東京スター銀行よくある質問 預金連動型住宅ローンの返済方法は?
【目次:住宅ローンコラム】
10:平成30年(2018年)の住宅ローン金利動向を予測する
14:「平成30年(2018年)は住宅購入最後のチャンス(前編)」
15:「平成30年(2018年)は住宅購入最後のチャンス(後編)」
16:「共働き夫婦におすすめの住宅ローンの「デュエット」とは?」
17:「変動金利と固定金利の良いとこどりのミックスプランとは?」
19:「住宅ローンを使って建てた家を勝手に貸してはダメな理由」
21:「長期優良住宅の家づくりをするときに適した住宅ローン」
22:「住宅ローンを組む時に「自然災害特約」は付けるべきか」
26:「変わり始めた住宅ローン勢力図。メガバンクVS地方銀行」
27:「変動金利の金利上昇ルール「5年ルール」と「125%ルール」とは」
28:「日銀展望レポートから見る、今後の住宅ローン金利動向」
29:「フラットは何故どこでも借りられるのか、その構造を理解しよう」
30:「2月の住宅ローンは固定金利が大幅上昇!今後の行方は?」
34:「世界同時株安NYダウは過去最大の下落!住宅ローン金利に与える影響は?」
41:「預金連動型住宅ローンの注意点(後編)」←今回のコラム
44:「財形住宅融資制度について、わかりやすく解説します(前編)」
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