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ライフプランに合わせた住宅ローンの返済額の作り方
住宅ローンを組むとき、既に家族のライフプランは、おおよそ定まっているはずです。例えば、まだ若いご夫婦でお子様が小さい場合、住宅ローンの返済額はお子様の教育費がかかるまで多くし、その後は少なくすることが理想的です。
また、中年のご夫婦の場合、定年までの住宅ローン返済額が多くても、定年後は返済額を少なくするのが理想的です。このように、理想的な返済プランが立てられれば良いのですが、現実の住宅ローンは基本的に全期間同じ返済額です。
今回は住宅金融支援機構のフラット20とフラット35を組み合わせて、上記のような理想的な返済プランを立てる方法をご紹介します。
目次
フラット20とフラット35を組み合わせるという発想
上記のような返済プランを作成するには、どうすればよいでしょうか。ここで活躍するのが、返済期間を最長20年間に抑え、金利も低いフラット20と返済期間を最長35年間とし、金利も標準的なフラット35を組み合わせて借りる方法です。
フラット20とフラット35を組み合わせて借りることで、フラット20の返済期間が終わるまでは、フラット35の返済額が合計されるため、毎月の返済額は多くなりますが、フラット20の返済が終わった後は、フラット35の返済だけで良いため、毎月の返済額は減少します。
つまり、フラット20とフラット35を組み合わせることで、上記のような返済プランが実現出来ます。フラットを提供する住宅金融支援機構も、この組み合わせ方法をダブルフラットとして、定型化した商品としてPRしています。
しかし、実際にどの程度の金額になるのかが、わかりにくかったかもしれません。そこで、ダブルフラットのパンフレットを一部引用しつつ、具体例でご紹介します。
具体的な事例でダブルフラットの活用方法を見ていきましょう
例1:現在32歳のご主人、お子様は0歳。子供の学費が多くなる時期の返済額を減らして、学費を確保したい。
前提条件:借入額は3,000万円、金利は2月の最も多い金利(フラット20で年1.320%、フラット35で年1.400%、共に団信あり)、元利均等返済でボーナス返済なし、融資率9割以下
この場合、お子様が高校に入学するまでの15年返済をフラット20で、35年返済をフラット35で組み合わせると、理想的な返済プランが可能です。
フラット20で1,000万円を借入、15年返済 毎月6.2万円 総返済額 1,103万円、フラット35で2,000万円を借入、35年返済 毎月6.1万円 総返済額 2,531万円 総返済額の合計 3,634万円
時系列で考えると、借入開始からお子様が高校に入学するまでは、フラット20とフラット35の返済額を合計して毎月12.3万円、しかし高校入学後はフラット35の返済のみなので毎月6.1万円で済みます。
例2:現在40歳のご主人、60歳で定年を迎えます。定年までに、なるべく住宅ローンの残高を減らしたい。
前提条件:借入額は3,000万円、金利は2月の最も多い金利(フラット20で年1.320%、フラット35で年1.400%、共に団信あり)、元利均等返済でボーナス返済なし、融資率9割以下
この場合、ご主人が定年を迎えるまでの20年返済をフラット20で、35年返済をフラット35で組み合わせると、理想的な返済プランが可能です。
フラット20で1,500万円を借入、20年返済 毎月7.2万円 総返済額 1,708万円、フラット35で1,500万円を借入、35年返済 毎月4.6万円 総返済額 1,899万円 総返済額の合計 3,607万円
時系列で考えると、借入開始からご主人が定年を迎えるまでは、フラット20とフラット35の返済額を合計して毎月11.8万円、しかし定年退職後はフラット35の返済のみなので毎月4.6万円で済みます。
このように、どちらの返済プランも、相談者の意に沿った返済額となっています。フラット35の1本でも良いですが、一部繰上返済する予定がない場合などは、ダブルフラットの利用が効果的です。
注意点は2本のフラットを利用するので諸費用が2倍かかること
ダブルフラットはメリットも多いのですが、あくまで必要金額を2つのローンで別けるという発想です。従って、2本のローン契約になりますので、金銭消費貸借契約や抵当権設定もそれぞれ必要になります。結果的に、諸費用が通常に比べて2倍かかる点には留意しておきましょう。
まとめ
フラット20とフラット35を組み合わせるという発想は、なかなか良いと感じました。フラット20の低金利、フラット35の長期という、いいとこ取りが出来ます。ライフプランが固まっている方に、お勧めしたい返済プランです。
ホロスホームでは、住宅ローンのご相談も無料で受け付けております。お気軽にご相談下さい!
【目次:住宅ローンコラム】
10:平成30年(2018年)の住宅ローン金利動向を予測する
14:「平成30年(2018年)は住宅購入最後のチャンス(前編)」
15:「平成30年(2018年)は住宅購入最後のチャンス(後編)」
16:「共働き夫婦におすすめの住宅ローンの「デュエット」とは?」
17:「変動金利と固定金利の良いとこどりのミックスプランとは?」
19:「住宅ローンを使って建てた家を勝手に貸してはダメな理由」
21:「長期優良住宅の家づくりをするときに適した住宅ローン」
22:「住宅ローンを組む時に「自然災害特約」は付けるべきか」
26:「変わり始めた住宅ローン勢力図。メガバンクVS地方銀行」
27:「変動金利の金利上昇ルール「5年ルール」と「125%ルール」とは」
28:「日銀展望レポートから見る、今後の住宅ローン金利動向」
29:「フラットは何故どこでも借りられるのか、その構造を理解しよう」
30:「2月の住宅ローンは固定金利が大幅上昇!今後の行方は?」
34:「世界同時株安NYダウは過去最大の下落!住宅ローン金利に与える影響は?」
35:「ライフプランに合わせた住宅ローンの返済額の作り方」←今回のコラム
44:「財形住宅融資制度について、わかりやすく解説します(前編)」
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