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コラム

住宅ローン審査もアプリの時代へ

金融技術の進化を表す、FinTech(フィンテック)という造語が生まれたように、全世界で金融サービスと情報技術を結びつけた動きが出てきています。

一方で、世界最大級の投資銀行であるアメリカのゴールドマン・サックスは、金融取引の自動化を進め、2000年には600人いた株式トレーダーが今では2人しかいません。

このようにFinTechは人間の仕事を奪うという側面も否定できませんが、日本ではメガバンクを中心にFinTechで出来る仕事はそちらに任せ、余剰人員は営業に振り向けるといった良い意味でのすみ分けを進めています。

今回紹介する住宅ローン自動審査アプリも、このようなすみ分けが基本理念となっています。

 

iPadを使っている女性

住宅ローン自動審査アプリとは

 

住宅ローン自動審査アプリとは、2017年から三井住友銀行が本格的に導入したサービスで、住宅ローンの申し込みに必要な書類を本人がスマートフォンのアプリで撮影するかパソコンのスキャナで取り込み、そのまま三井住友銀行に送信することで入口の審査が自動で出来てしまうというものです。

ネット銀行でも本人が申し込みに必要な書類をインターネットにアップロードしていますが、入口の審査に関してはあくまで人間が行っているので、審査を自動化した所がこのサービスの決定的な特長です。

これにより、今までこの部分の審査に必要だった人員を他のサービスに転用することが出来ます。

 

ただ、住宅ローン自動審査アプリが全ての審査を行う訳ではありません。

あくまで1次審査といって、住宅ローンでの一般的な審査を行い、アプリが認可、保留、否決の3つの判断をして、本人のメールアドレスに通知します。

ここまでのスピードは非常に速く、最短で1時間程度です。

 

認可となった場合、そのまま団信申し込みのサイトに進み、団信の申し込みを行うことが出来ます。

保留となった場合、再審査を行いますがこれは通常の審査と同じで人間が行います。

問題なければ、そのまま団信申し込みへと進みます。

否決となった場合は、残念ですが申し込むことが出来ません。

 

その後、自動審査アプリが行った1次審査の情報をもとに、今度は人間が内容精査を行い、WEB申込専用住宅ローンで借りることができるのか、それとも通常の住宅ローンを利用して貰うかの判断を行い、正式回答を行います。

仮にWEB申込専用住宅ローンで申し込みできる場合であれば、メガバンクでは最低基準の変動金利0.5%が適用できる場合もあります。

 

手続き後半部分は行員が手厚くサポート

 

WEB申込専用住宅ローンを利用できる人でも、金銭消費貸借契約やライフプランに合わせた特約の案内などは、通常の行員が行います。

三井住友銀行としては、形式的な住宅ローン審査は機械に任せ、後半部分のコンサルティングに力を入れることで顧客満足度の拡大を図ることが目的のようです。

確かに、誰がしても同じ結果が出る部分は機械に任せ、ライフプラン設計など顧客1人1人で異なる部分のサービスに力を入れることは理にかなっていると言えるでしょう。

このような自動審査アプリが普及していけば、FinTechを活用した好事例となるのではないでしょうか。

 

開発費がネックで地方銀行は未対応

 

今回ご紹介した住宅ローン自動審査アプリは、スマートフォンからも申し込めてしまうため、住宅ローンの申し込みに関して、大きな垣根を取り払ったといって良いでしょう。

ただ、ここまで開発するにはやはりメガバンクならではの開発力・資金力が必要で、地方銀行などが容易に追随するのは困難なようです。

 

まとめ

 

今回は三井住友銀行の自動審査アプリをご紹介しました。

興味がある方はApp StoreやGoogle Playからダウンロードしてみて下さい。

PC版もありますが、必要書類をすぐにカメラで撮影できる、アプリを利用する方が使いやすいというのが実感です。

 

 

住宅ローン関連のコラム一覧

 

【目次:住宅ローンコラム】

1:安心できる住宅ローンの借入限度額はどれくらいなのか

2:住宅ローンではどれくらいの費用がかかるのか(上編)

3:住宅ローンではどれくらいの費用がかかるのか(中編)

4:住宅ローンではどれくらいの費用がかかるのか(下編)

5:住宅ローンの流れを、マンションと注文住宅で比較してみる

6:住宅ローンを組んだら生活保障の見直しをしましょう!

7:住宅ローン控除を最大限活用する(前編)

8:住宅ローン控除を最大限活用する(後編)

9:一部繰上返済制度を活用して総返済額を減らす

10:平成30年(2018年)の住宅ローン金利動向を予測する

11:最初のローンが肝心、借り換えをお勧めできない理由

12:住宅ローンの返済が苦しくなったら迷わず相談

13:個人信用情報機関を正しく理解しましょう

14:「平成30年(2018年)は住宅購入最後のチャンス(前編)」

15:「平成30年(2018年)は住宅購入最後のチャンス(後編)」

16:「共働き夫婦におすすめの住宅ローンの「デュエット」とは?」

17:「変動金利と固定金利の良いとこどりのミックスプランとは?」

18:「住宅ローンの新規では変動と固定どちらが多いのか」

19:「住宅ローンを使って建てた家を勝手に貸してはダメな理由」

20:「親の贈与を受ける場合のメリットとデメリット」

21:「長期優良住宅の家づくりをするときに適した住宅ローン」

22:「住宅ローンを組む時に「自然災害特約」は付けるべきか」

23:「住宅ローン審査もアプリの時代へ」←今回のコラム

24:「ネット銀行の審査が一般的な銀行と違う理由」

25:「ライフプランに合わせられる、新生銀行の住宅ローン」

26:「変わり始めた住宅ローン勢力図。メガバンクVS地方銀行」

27:「変動金利の金利上昇ルール「5年ルール」と「125%ルール」とは」

28:「日銀展望レポートから見る、今後の住宅ローン金利動向」

29:「フラットは何故どこでも借りられるのか、その構造を理解しよう」

30:「2月の住宅ローンは固定金利が大幅上昇!今後の行方は?」

31:「銀行が勧める、短期固定金利の住宅ローンの危険性」

32:「イオンをよく利用する人はイオン銀行が便利でお得?」

33:「ゆうちょ銀行の住宅ローン利用には注意が必要」

34:「世界同時株安NYダウは過去最大の下落!住宅ローン金利に与える影響は?」

35:「ライフプランに合わせた住宅ローンの返済額の作り方」

36:「住宅ローンを抱えて離婚したらどうすればいい?」

37:「住宅ローンを組む事が不安な方にオススメの制度」

38:「被災された方は災害復興融資の利用を(前編)」

39:「被災された方は災害復興融資の利用を(後編)」

40:「預金連動型住宅ローンの注意点(前編)」

41:「預金連動型住宅ローンの注意点(後編)」

42:「3月の住宅ローン金利、長期固定金利が軒並み低下」

43:「住宅ローンを組む時に、安易な収入合算には要注意」

44:「財形住宅融資制度について、わかりやすく解説します(前編)」

45: 「財形住宅融資制度について、わかりやすく解説します(後編)」

46:「フラットの買取型と保証型の違い、何がどう違うのか」

47:「フラットが9割超融資で金利を引き上げた意味」

48:「三井住友信託銀行の住宅ローン自動返済、メリットと注意点」

49:「余分なカード信用枠は住宅ローン審査にデメリット」

50:「住宅ローン利用者の裾野を広げた「全国保証」とは?」

51:「財務省信頼失墜!増税延期と住宅ローン金利の深い関係」

52:「50年型住宅ローンのメリット・デメリット」

53:「あなどれない、JAバンクの住宅ローン」

54:「住宅ローンの返済には、ボーナス併用払いを利用すべきか」

55:「世界標準の住宅ローンとは?リコースローンとノンリコースローン」

56:「2018年4月の住宅ローン金利は低下予想」

57:「フラット35利用者への借り換えを勧誘することは禁止されています」

58:「女性専用住宅ローンを最大限活用しましょう」

59:「職業の特性によって、住宅ローンの選び方を決める方法」

60:「転勤や借り換えした時の住宅ローン控除の再適用について」

61:「2018年4月の住宅ローン金利と5月の見通し」

62:「フラットの団体信用生命保険と民間の生命保険、どちらがお得?」

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