お知らせ・イベント・コラム
住宅ローンキーワード:第14回・住宅取得等資金の贈与税の非課税
住宅購入は多額の資金が必要であるため、政府も様々な政策を打ち出しています。
その最たるものが、住宅取得等資金の贈与税の非課税と住宅借入金等特別控除ではないでしょうか。
今回は住宅取得等資金の贈与税の非課税を解説します。
目次
そもそも住宅取得等資金の贈与税の非課税とは
まず贈与について解説します。
贈与とは正確に書くと、当事者(贈与者)の一方が、自己の財産を、無償で相手方(受贈者)に与えることを内容とする契約です。
そして、個人から個人への贈与については、贈与を受けた人(受贈者)に贈与税がかかる決まりになっています。
しかし、少額の贈与まで課税範囲に含めてしまうと弊害もあるため、受贈者が年間に受け取る金額が110万円以内であれば、非課税という決まりがあります。
また、110万円以内であれば贈与税の申告も不要ですので、住宅取得にあたって、年間に100万円程度受け取ったのであれば、特段何もする必要はありません。
なお、110万円を超えたかどうかの判断は、あくまで受贈者の金額で判断します。
従って、4人から30万円の贈与を受けた場合、120万円となり110万円を超えますので、10万円部分に関して贈与税の申告が必要になります。
ただ、住宅取得関係の資金となると110万円以内では収まらないので、政府が住宅取得等資金の贈与税の非課税という名称で、非課税枠を拡大しているのです。
ただし、贈与者は父・母・祖父・祖母など直系尊属、受贈者は子、孫などに限定されています。
消費税増税の絡みで、住宅取得等資金の贈与税の非課税は複雑に
2014年4月に消費税が5%から8%へ引き上げられた後、8%から10%への引き上げは、様々な理由で延期されてきました。
しかし、これ以上の延期は逆に悪影響を及ぼすことから、2019年10月の10%への引き上げは、予定通り行われる見通しです。
消費税が10%へ引き上げられると、住宅取得にかかる費用もそれだけ増加します。
そこで政府は、以下のようなスケジュールで、住宅取得等資金の贈与税の非課税を行うことになっています。
住宅用の家屋の新築等に係る対価等の額に含まれる消費税等の税率が8%の場合
2016年1月1日~2020年 3月31日 省エネ等住宅 1,200万円 左記以外の住宅 700万円
2020年4月1日~2021年 3月31日 省エネ等住宅 1,200万円 左記以外の住宅 700万円
住宅用の家屋の新築等に係る対価等の額に含まれる消費税等の税率が10%の場合
2019年4月1日~2020年 3月31日 省エネ等住宅 3,000万円 左記以外の住宅 2,500万円
2020年4月1日~2021年 3月31日 省エネ等住宅 1,500万円 左記以外の住宅 1,000万円
2020年4月1日~2020年12月31日 省エネ等住宅 1,200万円 左記以外の住宅 700万円
例えば、完成しているマンションや建売住宅であれば、契約の締結後すぐに入居できますので、2019年10月を境に、両者の表を当てはめれば問題ありません。
しかし、注文住宅の場合は完成までに、約6カ月かかります。そこで、住宅の引き渡しが2019年9月30日までに完了すれば、消費税は8%。
そして、注文住宅の時に交わされる請負契約が、2019年3月31日までに完了すれば、たとえ引き渡しが2019年9月30日を過ぎても、消費税は8%と定められています。
さらに、請負契約が2019年4月以降でも、2019年9月30日までに完了すれば、消費税は8%となります。
なお、念のため付け加えておきますが、住宅取得等資金の贈与税の非課税措置を受けた時も、110万円の贈与税の非課税枠はありますので、実際の非課税枠は上記の数字に110万円をプラスした金額になります。
住宅取得等資金の贈与税の非課税は贈与税の申告が必ず必要
住宅取得等資金の贈与税の非課税は、贈与者と受贈者、それぞれに細かい要件がありますが、常識的に的外れな要件はありません。
それよりも注意したいのは、住宅取得等資金の贈与税の非課税を利用する場合、必ず受贈者が贈与を受けた年の翌年2月1日~3月15日までに、贈与税の申告をしなければならないことです。
正直申し上げて、この申告を省略している方も見受けられますが、住宅取得に際しては税務署も目を光らせており、申告をしなければ贈与税がかかる事態になってしまいます。
贈与税の申告は、最近はe-Taxという電子申告でも可能になっています。非課税の申告ですから、必ずするようにしましょう。
住宅ローンについてのコラム一覧
10:平成30年(2018年)の住宅ローン金利動向を予測する
14:「平成30年(2018年)は住宅購入最後のチャンス(前編)」
15:「平成30年(2018年)は住宅購入最後のチャンス(後編)」
16:「共働き夫婦におすすめの住宅ローンの「デュエット」とは?」
17:「変動金利と固定金利の良いとこどりのミックスプランとは?」
19:「住宅ローンを使って建てた家を勝手に貸してはダメな理由」
21:「長期優良住宅の家づくりをするときに適した住宅ローン」
22:「住宅ローンを組む時に「自然災害特約」は付けるべきか」
26:「変わり始めた住宅ローン勢力図。メガバンクVS地方銀行」
27:「変動金利の金利上昇ルール「5年ルール」と「125%ルール」とは」
28:「日銀展望レポートから見る、今後の住宅ローン金利動向」
29:「フラットは何故どこでも借りられるのか、その構造を理解しよう」
30:「2月の住宅ローンは固定金利が大幅上昇!今後の行方は?」
34:「世界同時株安NYダウは過去最大の下落!住宅ローン金利に与える影響は?」
44:「財形住宅融資制度について、わかりやすく解説します(前編)」
45:「財形住宅融資制度について、わかりやすく解説します(後編)」
48:「三井住友信託銀行の住宅ローン自動返済、メリットと注意点」
51:「財務省信頼失墜!増税延期と住宅ローン金利の深い関係」
54:「住宅ローンの返済には、ボーナス併用払いを利用すべきか」
55:「世界標準の住宅ローンとは?リコースローンとノンリコースローン」
57:「フラット35利用者への借り換えを勧誘することは禁止されています」
59:「職業の特性によって、住宅ローンの選び方を決める方法」
60:「転勤や借り換えした時の住宅ローン控除の再適用について」
62:「フラットの団体信用生命保険と民間の生命保険、どちらがお得?」
66:「2018年(平成30年)5月の住宅ローン金利と6月の見通し」
68:「住宅ローンキーワード:第2回・抵当権連帯債務者と連帯保証人の違い」
71:「住宅ローンキーワード:第3回・住宅ローンキーワード、今回は保証会社」
87:「最近の住宅ローン金利広告で注意しておきたいポイント」
88:「疾病保障率を50%に制限する商品は、いざという時の保障になるのか」
91:「住宅ローンの長期固定金利が上昇したら、変動金利も上昇するのか」
92:「住宅ローンキーワード:第13回・住宅借入金等特別控除」
93:「じぶん銀行アンケートから見る、ネット銀行の利用者像」
94:「住宅ローンキーワード:第14回・住宅取得等資金の贈与税の非課税」←今回のコラム
Works
お問い合わせ・
モデルハウス見学の
ご予約はこちら
お電話でのご相談・ご予約
TEL 0120-411-185
営業時間 10:00-18:00 (水曜・木曜定休)
Webフォーム