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コラム

住宅ローン控除を最大限活用する(前編)

住宅ローンを組むと、お金が戻ってくる住宅ローン減税。

この制度を上手に活用しましょう!

 

税金

住宅ローン控除とは

 

住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用した住宅取得を後押しするために、政府が考え出した政策です。住宅取得により、購入者はインテリアや家具・家電などを購入します。これにより様々な業界に良い影響が及び、景気を活性化させる効果があるのです。

これをふまえ、戦後から上記を後押しする政策が打ち出されて来ましたが、最近のような住宅ローン残高に比例して税額控除する制度は2007年から始まり、住宅ローン残高や控除率、期間を変えながら現在に至っています。

現在の制度は2014年1月1日から始まり、2021年12月31日まで継続されることは既に決定しています。今回はこの住宅ローン控除を詳細解説するために、前編と後編に別け、住宅ローン利用者に役立つ情報をお届けします。

 

住宅ローン控除を受けるために

住宅ローンを組んだからといって、誰もが住宅ローン控除を受けられる訳ではありません。ここでは特に注意したいポイントについて、解説していきます。

 

・住宅ローンの返済期間が10年以上あること

住宅ローンの借入残高が少ないため10年未満に設定している方は、住宅ローン控除を受けることが出来ません。また当初の返済期間が15年であっても、期間短縮型の繰上返済により返済期間が10年未満になった場合は、それ以降の期間は住宅ローン控除を受けることが出来ません。

 

・勤務先からの借入では一定の条件があること

勤務先から社内融資という形で住宅ローンを借りることもあるでしょう。この場合、民間に比して有利な借り入れを排除するため、無利子又は0.2%に満たない金利は対象外になります。また、親族や知人からの借り入れは全て対象外です。なお、銀行からであれば金利がいくら低くても対象になります。

 

・住民票を移しきちんと住んでいること

新築又は取得の日から6ヶ月以内に居住し、その年の12月31日まで引き続き住んでいる必要があります。他人に貸すための住宅取得は、転勤などを除いて住宅ローン控除の対象外です。

 

 

住宅を取得し、住宅ローンを組んだとしても、それを行政に証明する必要があります。そこで、住宅ローン控除を受けようとする翌年にサラリーマンの方であっても、必ず確定申告が必要です。これは書面申請によることとなっており、住宅の売買契約書や銀行の残高証明書など様々な書類が必要です。

2年目以降は、税務署から2年目にまとめて数年分の証明書が送られてくるので、それと金融機関からの残高証明書を勤務先に提出すれば年末調整で対応してくれます。翌年の確定申告は大変ですが、これは避けて通ることは出来ません。ご自身で確定申告するのが不可能であれば、税理士などに頼むのも最終手段です。費用はトータルで4〜5万円です。

 

住宅ローン控除の仕組みと金額

では、現在の住宅ローン控除の仕組みを見ていくことにしましょう。現在の住宅ローン控除は、年末の住宅ローン残高に一定の控除率を掛けて、その金額を税額控除する方式になっています。控除金額は、1から10年目の年末残高の1%で、最大控除額が40万円(長期優良住宅は50万円)になります。

また、2006年の国から地方への税源移譲により、所得税が減り、住民税が一律10%となりました。これにより、所得税だけでは引き切れない方が増えたことに考慮して、所得税の課税所得の7%か13万6,500円の小さい金額を上限に住民税からも控除可能です。文章だけでは実感がわきにくいと思いますので、具体例で見ていくことにしましょう。

 

年収:500万円、夫:サラリーマン、妻:専業主婦、子供:2人(16歳未満で扶養控除を受けられないので計算上は関係なし)、住宅ローンの年末残高 2,000万円(控除額は1%の20万円)

 

上記の場合の年間所得税は10.1万円、年間住民税は21.1万円となります。ここで控除額の20万円から年間所得税10.1万円を引くと、所得税は0円になり、さらに9.9万円が引ききれずに残ります。そこで住民税から引きますが、上記の小さい金額は13万6,500円が限度となるため、9.9万円全額が対象になり、年間住民税21.1万円から9.9万円を引き、最終的な住民税は11.2万円で済むことになります。

年間所得税は0円、年間住民税も10万円近く安くなり、住宅ローン控除の効果が大きいことが実感できます。長くなりましたので、次回はこの住宅ローン控除をさらに活用する方法を考えます。

 

住宅ローン関連のコラム一覧

 

【目次:住宅ローンコラム】

1:安心できる住宅ローンの借入限度額はどれくらいなのか

2:住宅ローンではどれくらいの費用がかかるのか(上編)

3:住宅ローンではどれくらいの費用がかかるのか(中編)

4:住宅ローンではどれくらいの費用がかかるのか(下編)

5:住宅ローンの流れを、マンションと注文住宅で比較してみる

6:住宅ローンを組んだら生活保障の見直しをしましょう!

7:住宅ローン控除を最大限活用する(前編)←今回のコラム

8:住宅ローン控除を最大限活用する(後編)

9:一部繰上返済制度を活用して総返済額を減らす

10:平成30年(2018年)の住宅ローン金利動向を予測する

11:最初のローンが肝心、借り換えをお勧めできない理由

12:住宅ローンの返済が苦しくなったら迷わず相談

13:個人信用情報機関を正しく理解しましょう

14:「平成30年(2018年)は住宅購入最後のチャンス(前編)」

15:「平成30年(2018年)は住宅購入最後のチャンス(後編)」

16:「共働き夫婦におすすめの住宅ローンの「デュエット」とは?」

17:「変動金利と固定金利の良いとこどりのミックスプランとは?」

18:「住宅ローンの新規では変動と固定どちらが多いのか」

19:「住宅ローンを使って建てた家を勝手に貸してはダメな理由」

20:「親の贈与を受ける場合のメリットとデメリット」

21:「長期優良住宅の家づくりをするときに適した住宅ローン」

22:「住宅ローンを組む時に「自然災害特約」は付けるべきか」

23:「住宅ローン審査もアプリの時代へ」

24:「ネット銀行の審査が一般的な銀行と違う理由」

25:「ライフプランに合わせられる、新生銀行の住宅ローン」

26:「変わり始めた住宅ローン勢力図。メガバンクVS地方銀行」

27:「変動金利の金利上昇ルール「5年ルール」と「125%ルール」とは」

28:「日銀展望レポートから見る、今後の住宅ローン金利動向」

29:「フラットは何故どこでも借りられるのか、その構造を理解しよう」

30:「2月の住宅ローンは固定金利が大幅上昇!今後の行方は?」

31:「銀行が勧める、短期固定金利の住宅ローンの危険性」

32:「イオンをよく利用する人はイオン銀行が便利でお得?」

33:「ゆうちょ銀行の住宅ローン利用には注意が必要」

34:「世界同時株安NYダウは過去最大の下落!住宅ローン金利に与える影響は?」

35:「ライフプランに合わせた住宅ローンの返済額の作り方」

36:「住宅ローンを抱えて離婚したらどうすればいい?」

37:「住宅ローンを組む事が不安な方にオススメの制度」

38:「被災された方は災害復興融資の利用を(前編)」

39:「被災された方は災害復興融資の利用を(後編)」

40:「預金連動型住宅ローンの注意点(前編)」

41:「預金連動型住宅ローンの注意点(後編)」

42:「3月の住宅ローン金利、長期固定金利が軒並み低下」

43:「住宅ローンを組む時に、安易な収入合算には要注意」

44:「財形住宅融資制度について、わかりやすく解説します(前編)」

45: 「財形住宅融資制度について、わかりやすく解説します(後編)」

46:「フラットの買取型と保証型の違い、何がどう違うのか」

47:「フラットが9割超融資で金利を引き上げた意味」

48:「三井住友信託銀行の住宅ローン自動返済、メリットと注意点」

49:「余分なカード信用枠は住宅ローン審査にデメリット」

50:「住宅ローン利用者の裾野を広げた「全国保証」とは?」

51:「財務省信頼失墜!増税延期と住宅ローン金利の深い関係」

52:「50年型住宅ローンのメリット・デメリット」

53:「あなどれない、JAバンクの住宅ローン」

54:「住宅ローンの返済には、ボーナス併用払いを利用すべきか」

55:「世界標準の住宅ローンとは?リコースローンとノンリコースローン」

56:「2018年4月の住宅ローン金利は低下予想」

57:「フラット35利用者への借り換えを勧誘することは禁止されています」

58:「女性専用住宅ローンを最大限活用しましょう」

59:「職業の特性によって、住宅ローンの選び方を決める方法」

60:「転勤や借り換えした時の住宅ローン控除の再適用について」

61:「2018年4月の住宅ローン金利と5月の見通し」

62:「フラットの団体信用生命保険と民間の生命保険、どちらがお得?」

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