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平成30年度における住宅市場動向

住宅金融支援機構から、「平成30年度における住宅市場動向について」

と題したレポートが、今年の4月に発表されています。

このレポートは、

住宅事業者(回答数733)、一般消費者(回答数1,100)、ファイナンシャルプランナー(回答数62)の

幅広い層に、平成30年度の住宅市場動向をヒアリングしたのが特徴です。

調査時期は平成30年2~3月、調査項目は

平成30年度の住宅市場の買い時感、一般消費者のニーズ等に関する事項となっています。

回は、このレポートを紹介しながら、住宅市場の買い時について解説していきたいと思います。

なお、このレポートの大前提として、

平成31年10月に消費税率が8から10%に引き上げになることが織り込まれています。

消費税を引き上げる立場の財務省の信用失墜で、この消費税引き上げが、

再度延期される可能性があることだけ、念の為に明記しておきます。

棒グラフ・円グラフ

住宅事業者の受注は好調

平成30年度の受注・販売等の見込みでは、

平成29年度と比べて増加しているが、59.4%で最も多くなりました。

また、同程度が29.6%、減少する見込みが11.0%となっています。

増加する要因としては、消費税率引き上げ前の駆け込み需要が64.3%で最も高く、

次いでマイナス金利政策の導入後住宅ローン金利が低水準だからが44.3%、

景気の回復感が徐々に広がっているからが20.9%となりました。

減少する要因としては、住宅価額等が高騰しているからが36.3%で最も高く、

次いで景気に先行き不透明があるからが31.3%、将来の消費税率引上げを見越した

エンドユーザーの様子見傾向が11.3%となりました。

このように、住宅事業者の受注が好調なのは消費税率引上げによる所が大きく、

消費税率引上げが再延期されると、上記の数字にも影響を与えそうです。

 

一般消費者の買い時感は強弱拮抗

平成30年度における住宅の買い時感では、

買い時が50.6%、どちらとも言えないが40.7%、買い時ではないが8.6%となりました。

買い時と思う要因としては、今後消費税率が引き上げられるからが75.0%で最も高く、

次いでマイナス金利政策の導入後住宅ローン金利が低いからが49.7%、

今後住宅ローン金利が上がると思うからが32.1%となりました。

買い時ではないと思う要因としては、景気に先行き不透明があるからが36.8%で最も高く、

次いで住宅価額が上昇しているからが35.8%、将来の収入に不安があるからからが30.5%となりました。

一般消費者も、やはり消費税率引上げによる所が大きく、

消費税率引上げが再延期されると、上記の数字にも影響を与えそうです。

 

ファイナンシャルプランナーの買い時は高い

宅ローンなどの相談業務を扱う、ファイナンシャルプランナーの

平成30年度における住宅の買い時感では、買い時が64.5%、どちらとも言えないが27.4%、

買い時ではないが8.1%となりました。

買い時と思う要因としては、

マイナス金利政策の導入後住宅ローン金利が低水準だからが85.0%で最も高く、

消費税率引上げ前の駆け込み効果が62.5%、金利先高感があるからが45.0%となりました。

買い時ではないと思う要因としては、住宅価額等が高騰しているからが80.0%で最も高く、

景気に先行き不透明があるからが40.0%、金利先高感がないからが20.0%となりました。

同じファイナンシャルプランナーでも、金利先高感で意見が割れているのが興味深いですが、

低金利と消費税率引上げが買い時の要因であるのは間違いなさそうです。

 

建物性能で重視する項目は両者でほぼ一致

最後に、住宅事業者の重点的取組事項と一般消費者が重視するポイントに齟齬がないか、確認していきます。

住宅事業者が今後の重点的取組事項としているのは、

1位建物の性能、2位土地の仕入れ、3位住宅プラン提案力、4位デザイン、5位アフターサービスとなりました。

一方で、一般消費者が住宅事業者選びで重視するポイントは、

1位建物の性能、2位住宅の立地、3位デザイン、4位住宅の価額や手数料、5位設備の性能となりました。

また、住宅事業者が建物の性能で重視する事項は、

1位省エネルギー性、2位耐震性、3位高耐久性、4位劣化対策、5位通風・換気性となりました。

一方で、消費者が建物の性能で重視する事項は、

1位高耐久性、2位耐震性、3位省エネルギー性、4位通風・換気性、5位遮音性となりました。

両者で若干の違いはあるもの、順位を総合的に見ると、両者の認識はほぼ一致していると言えそうです。

 

まとめ

ここまで、「平成30年度における住宅市場動向について」について、

重要と考えられる部分を抜粋してご紹介しました。

住宅購入は、あくまで家庭のタイミングに合わせるのが最適だと思いますが、

全体的な動きを知りたいと思う人もいるでしょう。

詳細は、こちらのサイトから御覧ください。
住宅市場動向調査:https://www.jhf.go.jp/about/research/other_house_trend.html

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