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疾病保障率を50%に制限する商品は、いざという時の保障になるのか
変動金利の引き下げ競争も限界を迎え、各行は何らかの付加価値を提供して、顧客誘致を図っています。
そんな中、最近見かけるのが疾病保障率を50%に絞ることで、金利負担を抑えた商品です。
今回は、この疾病保障率50%という商品のメリット、デメリットを検証し、注意点などを解説します。
目次
疾病保障率50%の商品のメリット、デメリット
疾病保障率50%の商品とは、住宅ローンに付加する、がんなどの疾病保障対応範囲を予め50%に制限することで、疾病保障に上乗せする金利を抑えた商品です。
例えば、住宅ローンを3,000万円借り入れ、すぐにがんと確定診断された場合、疾病保障率100%の商品であれば、住宅ローン残高はゼロになりますが、疾病保障率50%の商品であれば、住宅ローン残高は半分の1,500万円になります。
このような事例を出すと、疾病保障率100%の商品の方が良いということになりますが、疾病保障範囲が広い商品ほど、金利上乗せ幅も大きくなるため、疾病保障範囲を50%に絞る代わりに、金利上乗せ幅を小さくした商品が登場しています。
疾病保障率50%の具体的な商品ラインナップ
ソニー銀行
・・・がん50%保障特約付団信 がんと診断確定されたとき 保障額は住宅ローン残高の50% 加入時年齢 満50歳未満 金利上乗せ なし
じぶん銀行
・・・がん50%保障団信 がんと診断された場合(就業不能状態問わず) 住宅ローン残高相当額の50%を保険金として支払 加入時年齢 満50歳未満 金利上乗せ なし
三井住友信託銀行
・・・ガン保障(入院保障付き) がんと診断されたら(借入日から3カ月を経過した日の翌日)以降 住宅ローン残高が半額に 加入時年齢 満46歳未満 金利上乗せ +年0.1%
代表的な商品をご紹介しています。
ソニー銀行やじぶん銀行の場合は、金利上乗せがありませんので、言い換えれば、通常の団信にがん50%保障が付加された商品と言えます。
当然ながら保証範囲が広がりますので、加入できる年齢や健康状態であれば、通常の団信に加入するよりも、がん50%保障団信に加入した方がお得になります。
三井住友信託銀行は、銀行の疾病保障プランとして、50%給付型と100%給付型を選択する形態を取っています。
上記のガン保障(入院保障付き)についてみると、50%給付型が+年0.1%の上乗せ、100%給付型が+年0.2%の上乗せとなっています。
50%給付型の商品をどのように考えるか
ソニー銀行やじぶん銀行の場合は、金利上乗せがありませんので、がん50%保障の部分に関しては、おまけ程度に考えている債務者の方が多いように感じます。
銀行としても、金利水準だけでなく、疾病保障でも優位に立つことで、自行の住宅ローンを選んでほしいという思惑が垣間見えます。
一方の三井住友信託銀行は、全体的な疾病保障プランが、50%給付型と100%給付型を選択する形態となっているため、実際に選択するとなると、かなり迷う事態も想定されます。
そこで、50%給付型と100%給付型を選択する基準を考えると、以下のようになります。
50%給付型で足りる債務者
・・・住宅ローンの疾病保障はあくまでおまけであり、自分自身で医療保険に加入し、将来の不測の事態に備えている人
100%給付型が必要な債務者
・・・自分自身で医療保険に加入しておらず、将来の不測の事態も、住宅ローンの疾病保障で賄おうと考えている人
50%給付型と100%給付型を選択する基準をわかりやすく提示すると、上記のような形態になるものと考えられます。
ただし、100%給付型が必要な人でも、住宅ローンを完済してしまうと、疾病保障も無くなる点には注意する必要があります。
まとめ
ここまで、最近登場してきた疾病保障率50%の商品について、解説を交え、ご紹介してきました。
住宅ローンにどこまで疾病保障を付加するかは様々ですが、自分達の医療保険加入状況を勘案しながら、後悔のない選択をして頂きたいと思います。
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