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住宅ローンキーワード:第7回・返済負担率

住宅ローンを利用するうえで、必ず出会う言葉が「返済負担率」です。

言葉だけ見ると、何やら難しそうに感じますが、算出方法を理解してしまえば、これほど便利な指標は

ありません。

住宅ローン利用者が、難しそうに感じる言葉を解説する、住宅ローンキーワード。

今回は、「返済負担率」を取り上げます。

負担率を計算

返済負担率とはどういう指標なのか

住宅ローンを利用しようとする人は、これから毎月、一定額を返済し続けなければなりません。

しかし、他人と同じ金額を返済するにしても、年収が高いか低いかで、その家計に占める、住宅

ローン返済の負担感が大きく異なります。

同じ返済額であれば、年収が低い世帯では住宅ローン返済の負担感が重く、年収が高い世帯では

住宅ローン返済の負担感が軽くなります。

住宅ローンを貸す金融機関としては、住宅ローン返済の負担感が重い家計ほど、延滞などに結び

つく可能性が高いことから、この負担感を図る指標を探してきました。

それが、「返済負担率」なのです。

では、実際に「返済負担率」の算出式を見ていくことにしましょう。

算出式は以下のようになります。

「返済負担率」=ローンの年間返済額÷額面年収✕100

例えば、年間返済額が120万円(毎月返済額10万円✕12ヶ月)で、年収が800万円の方の場合、上記

の式に先程の数値を代入すると

120万円÷800万円✕100=15%

となります。

これは、年収の15%がローンの返済に回っていることを示しています。

また、年間返済額が同じ120万円で、年収が400万円の方の場合、先程のように数値を代入すると

120万円÷400万円✕100=30%

となります。これは、年収の30%がローンの返済に回っていることを示しています。

このように見ていくと「返済負担率」は、年間返済額や年収のどちらが変化しても、年収のどの程度

がローンの返済に回っているかを示すことが出来ます。

住宅ローンを貸す金融機関は、この指標を参考にしながら、どの程度の融資額が妥当なのか判断して

いるのです。

 

返済負担率には全てのローンが含まれます

ここで「返済負担率」について注意しなければならないのは、前段でローンとしか書かなかったよう

に、住宅ローンだけではなく、自動車ローンや教育ローンなど、現在返済している全てのローンが含ま

れるということです。

最近は、住宅ローンなどは金利競争で金利が低下していますが、自動車ローンや教育ローンなどで

信販会社を利用する所は金利水準が5%前後と高く、その分、毎月返済額も多くなっているので注意が必要です。

上記の事例で、住宅ローンの年間返済額が120万円、年収が800万円の方でも、自動車ローンの年間返済額が

仮に80万円あった場合、「返済負担率」は

(120+80)万円÷800万円✕100=25%

となり、15%から跳ね上がります。

 

金融機関が目安にしている返済負担率は

金融機関の中で、「返済負担率」の基準を公に公表しているのは、フラット35を提供する住宅金融支援機構

です。

また、住宅金融支援機構では全てのローンを含むという意味で、「総返済負担率」と呼んでいます。

フラット35の場合は、年収が400万円未満の世帯では30%以下、年収が400万円以上の世帯では35%以下が

基準となっています。

また民間の金融機関では、公に公表されていませんが、年収が高くなるほど「返済負担率」の許容範囲は高く

なりますが、それでもフラット35と同様に30~35%程度と言われています。

 

安全な返済負担率の水準はどの程度なのか

「返済負担率」の値が20%以内であれば、借入額としては安全と言えます。

しかし、これはあくまで目安であり、年収の20%程度がローンの年間返済額であっても、他で浪費して

しまっては元も子もありません。

住宅ローンを借りている間は、住宅ローンの返済が最優先という意識を徹底することが、最も安全な

「返済負担率」と言えるでしょう。

 

 

 

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